阪神・淡路大震災 住家被害と延焼被害(出展:財団法人消防科学総合センター 災害写真データベース)
1995年の1月にマグニチュード7.3、最大震度7の揺れに襲われた阪神・淡路大震災では、震災当日だけで兵庫県内では100件以上の火災が同時多発的に発生し、7,035棟が全焼し、80棟以上が半焼しました。焼損床面積は、合計833,346㎡にのぼり、数日後に火災がおさまった後には400人以上がご遺体で見つかりました。
震災当時の風速は3m前後の非常に弱い風でしたが、これだけの地震火災による被害にのぼりました。もしも強風が吹いていたら、さらに大きな被害をまねいていたかも知れません。
1996年に日本都市計画学会で発表された学術論文によると、すべての出火原因については特定できなかったものの、ヒアリング調査のできた80件のうち、一番多かった火元は電気器具(15%)、ついで石油ストーブ(11.3%)、電気配線(8.8%)、ガス器具(7.5%)
でした。
発災が1月の早朝だったこともあり、直後には振動で電気ストーブや石油ストーブ、ガス器具などが倒れたり、電線や屋内配線がショートしたり、薬品の反応などによって出火しました。
さらに、翌日以降には、救助や確認のために起こした火などが余震によって燃え広がったり、停電が復旧するに伴ってスイッチの入ったままの電気器具が過熱したり、屋内の配線からの漏電やショートを起こして火災を招く「通電火災」が発生しました。
また、停電時にろうそくを使って灯りを取っていた最中に余震が発生し、火災が発生したケースもあります。
市販されている非常持ち出し袋には、ろうそくがセットされているものもありますが、地震による火災を防ぐという観点では、注意が必要です。豪雨災害による停電ではろうそくも使えますが、地震の際にはろうそくではなく、懐中電灯やランタンで灯りを取るようにしましょう。
災害による停電時の明かり対策については、こちらの記事をご参照ください
夜に停電がおきると何も見えない!避難するための明かりの対策