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夜に停電がおきると何も見えない!避難するための明かりの対策

過去に震度7が観測された、2つの大きな地震。
2016年4月14日に発生した熊本地震は、最初の大きな揺れがあったのが午後9時26分、2度目の大きな揺れは翌日の深夜1時25分でした。1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、まだ辺りの暗い時間、早朝の5時46分でした。
地震は、いつ発生するかわかりません。気象庁が発表している「震度階級関連解説表」では、震度6強程度以上の揺れとなる地震があった場合には、広い地域で、ガス、水道、電気の供給が停止することがあるとされています。
政府の中央防災会議では、南海トラフ地震が発生した場合、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されています。こうした大きな災害が、夜に発生する可能性がないとも言い切れません。

暗闇の中での災害を想像してみましょう

夜の時間帯、あなたはリビングでテレビを見ているかもしれません。夕食を食べているかもしれません。お風呂に入っているかもしれません。寝室で寝ているかもしれません。
そんな時に、突然、大きな揺れを感じます。まだ起きている時間帯だとしたら、揺れにほんろうされて、動くことができず、飛ばされてしまうかもしれません。とっさに、何かにつかまったり、机の下に身を隠すことで精一杯でしょう。就寝中なら、揺れに驚いて目を覚ますかもしれませんが、でもすぐには、それが大きな地震だとは理解出来ないでしょう。揺れの中で、電気が消えます。暗闇の中で、何かが倒れる音や、割れる音が聞こえます。
家族が同じ部屋の中にいたとしても、無事でいるかの確認は、名前を呼んで返事を待つしかありません。

揺れがおさまって、携帯電話や懐中電灯などが手元にあれば、室内を照らして、どのような状態になっているのか確認できます。明かりを取れるものが何もなければ、夜が開けるまでその場からじっと動かずにいるか、月明かりを頼りに手探りで部屋の中を進むかしかできません。暗い中で室内を歩くと、床に散らばったもので、足を怪我するかもしれません。しかし、夜間で、しかも大きな災害が発生している中では、医療機関にかかることも難しい状況になります。
夜の時間帯に大規模な災害が発生して被災したら・・・、誰しもがこうした状況に置かれる可能性があるということなのです。
こうしたリスクを少しでも減らすために、家具固定やガラスに飛散防止フィルムを貼っておくこと、収納の扉への耐震ラッチの取り付けなどの基本的な地震対策に加えて、ライトなど、夜間の災害に対する備えも大切なのです。

就寝中の地震への備え

気象庁が出している震度階級では、震度4で眠っているほとんどの人が目を覚ますという目安を出しています。眠っている間の地震でも、目を覚ますことができるかもしれませんが、いきなり震度7の地震が発生したら、無事ではいられないかもしれません。
寝室の地震対策としては、ベッド以外の家具を置かないのが理想です。寝室に家具を置く場合には、なるべく背の低いものにして、固定しておきましょう。また、万が一家具が転倒するなどしても、ベッドの上にかかってきて下敷きにならないように、さらに出入り口を塞がないように、向きや位置に配慮しましょう。
ベッドサイドには、救助を呼ぶためのホイッスルや、眼鏡が必要な方は眼鏡を、さらに底の厚いスリッパや靴、電池式のLEDライトを備えておきましょう。こうした備えが、地震の揺れで飛ばされて頭を直撃しないように、引き出しに収納したり、耐震ジェルマットで固定した箱やカゴに入れたり、壁に固定するなど、備え方にも工夫が必要です。

夜間の災害へ備える照明に必要な条件

災害への備えとしてのライトを選ぶには、考慮すべき条件がいくつかあります。まずは、停電になっても点灯すること。電池式や充電式のものを選びましょう。
点灯時間の長さもポイントです。10時間以上、点灯できることが理想です。消費電力が少なく済むLEDライトは点灯時間が長い傾向にあり、停電への備えとしてはLEDライトを選ぶことが基本です。
固定もできて移動もさせられること、なるべく明るいことも条件の一つ。ライトの明るさは、「ルーメン」の表記で確認できます。ルーメンの値の大きなものを選びましょう。
また、停電や地震の揺れに反応して点灯する、自動点灯ライトなら、安心感が高まります。

自動点灯ライトは2つのタイプから

自動点灯ライト(センサーライト)として一般的なのは、人の気配を感知して点灯する「人感センサーライト」や、暗闇を感知して点灯する「明暗センサーライト」などが一般的ですが、地震などの災害時の停電への備えとしては、このどちらもあてはまりません。
地震による停電時に部屋の状況を確認するための備えとしては、
などを、最低でも寝室に、できれば全室に設置しておくと良いでしょう。

「停電センサーライト」は、平常時はコンセントにさして充電しておきます。コンセントにさしておくことで、充電と同時に停電も感知して、自動で点灯する仕組みです。ただし、コンセントに挿しっぱなしにして避難する場合には、停電が復旧した際に通電火災を引き起こす可能性もあるので、地震の揺れを感知して自動でブレーカーを落とす「感震ブレーカー」と併用しましょう。
「多機能ライト(地震センサーライト)」は、電池で使用します。専用のホルダーで待機させるタイプのものや、置き型のものもあります。揺れを感知して、自動で数分間点灯し、その後にホルダーから外したり、スイッチを入れることで、懐中電灯のような使い方ができます。
電池式の多機能ライト(地震センサーライト)は通電火災の心配はありませんが、台風などによる停電の場合には自動では点灯しません。一方、停電センサーライトは、どんな停電でも自動で点灯します。どちらのタイプを選ぶのかは、それぞれのメリット・デメリットや、複合的な備えを考慮して選びましょう。

なお、ライトの他にも暖房器具の転倒、電化製品や配線の故障によって通電火災を起こすことがあります。気が動転して避難前にブレーカーを落とすことを忘れることもありますので、感震ブレーカーを設置しておくと安心です。

防災ライトは複数準備を

災害による停電のために備えておくライトは、大きく分けて3種類あります。
まずは、照らしたいところを照らすことのできる、懐中電灯。片手がふさがってしまったり、広範囲を照らすことができないという特徴もあります。頭に装着して使用するヘッドライトは、懐中電灯と同じように照らしたいところを照らすことができ、両手も空きます。ただし、顔が向いている一方向しか照らせないため、複数の人で明かりを共有することはできません。そして、広範囲を照らすことのできる、ランタン。

停電センサーライトや多機能ライト(地震センサーライト)は、懐中電灯に分類されます。夜の暗い中で災害が発生した時、まずは身の安全を確保して、周りの状況を確認するのに大切な明かりです。
災害からの停電が長期化して、在宅避難をしながら過ごす場合には、ランタンで部屋の広範囲を明るくすることが必要になります。
また、外が暗い中で避難所まで歩いて移動する場合には、両手のあくヘッドライトを使用するのが安全です。
災害への備えとしてのライトは、状況によって必要なものが変わってきます。それぞれのメリット・デメリットも考慮しながら、用途に合わせて複数備えておきましょう。


この記事を書いた人

瀬尾 さちこ

防災士。住宅建築コーディネーター。整理収納コンサルタント。
愛知県東海市のコミュニティエフエム、メディアスエフエムにて「みんなで学ぶ地域防災」「防災豆知識」の2つの防災番組を担当。
メディアスエフエム「みんなで学ぶ地域防災」は、毎週土曜日、午前9時~10時、生放送。
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