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災害時のデマに惑わされない!SNSで正しい情報を見分けるファクトチェックの方法は? ~ 災害時のデマ 2

前回は過去の災害から、デマが広がっていく仕組みについて紹介しました。


現在はSNSの普及とともに膨大な情報が発信されるようになりました。しかし、個人が発信する情報のなかには、デマや真偽のわからない話も多く含まれます。
災害時に間違った情報をもとに行動すれば、自分の身を危険にさらしてしまう可能性もありますので、過去におきたデマを参考に正しい情報かどうかを判断する方法を紹介します。

デマかどうかを判断するポイント

SNSの利用が広まるとともに、デマの広まるスピードや広まる範囲は、格段に速く大きくなりました。また、マサチューセッツ工科大学がX(旧 Twitter)上のメッセージを分析した研究によると、情報が発信されてから1500人に届くまでの時間を比較すると、デマは真実よりも6倍も速く届くことがわかりました。
その反面、SNSではテレビや新聞で扱いにくい、自分がいる地域の細かな情報や、速報性の高い情報を得られることから、災害時のとても有力なツールとなることも事実です。

それでは、どうやって真偽不明の情報やデマに踊らされずにSNSを活用していけばいいのでしょうか?
自分自身で情報の真偽を確認する「ファクトチェック」の方法を知っておきましょう。

1次情報をチェックする

まずは、情報の発信元が信頼できるかの確認が必要です。リンクがあればそのリンク先をみて、なければ検索などをして、政府や自治体、公共機関、報道機関などの公式SNSアカウントやWEBサイトから発信されたものかを確認しましょう。
SNSの投稿やWEBページのスクリーンショット(スマートフォンやパソコンの画面を撮影した画像)を掲載している場合、一見本物のように見えても画像を加工していることもありますので注意が必要です。

投稿された日時を見る

「地震で建物が倒壊した」といった情報が信用のあるアカウントからされている場合、必ず投稿やニュース記事の日時をチェックしましょう。
過去におきた被害をシェアすることで、今おきたかのように思わせるデマも多くあります。

SNSのコメント欄を見る

X(旧 Twitter)などのオープンなSNSの場合には、その投稿へのコメント(返信)を見るようにしましょう。もし、おかしな点があった場合には、他のユーザから指摘がされていることがあり、すぐにデマと気づくことができます。

閉鎖的な情報では判断しない

X(旧 Twitter)では自分の投稿にコメントできる人を制限することができます。また、Facebook では投稿を見ることができる人や、コメントできる人を制限できるため閉鎖的な環境になりがちです。
LINE のようなコミュニケーションツールは、オープンなSNSとは異なり他人から発言がみることができないため、おかしな点があっても指摘されないままデマが広がっていきます。また、東日本大震災の時にはLINEのようなアプリが普及していなかったため、チェーンメールという表に見えにくい形でデマが広がっていきました。
スマホのアプリやメールだけでなく、家族や友人とのアナログなうわさ話でも同じことがおきますので注意をしましょう。
デマの多くは人のために教えてあげたいという親切心によって広がっていきます。知り合いからの情報は信用しがちだからこそ、十分なファクトチェックが必要です。

投稿者の前後の投稿を見る

投稿をした人が、前後でどのような投稿をしているかも確認しましょう。「東京で〇〇がおきた」という投稿があっても直前まで別のところにいたり、日ごろから真偽のあやしい情報やいたずらを投稿したりしている場合もあります。

違う人から、似た投稿があっても落ち着いて判断を

1回目は信用しなくても、何回か同じ話を目にすることで、だんだんと信ぴょう性が増すことがあるかもしません。しかし、デマが急速に広まったときには話がまわりまわって、複数の人から似た話をされることがあります。
また、「化学工場の爆発により有害物質の雨が降る」というデマで「爆発で水溶液がとんできました!」と「工場勤務の知り合いから聞いた」という2つの話を別の人から聞くと、さも複数の情報源があり、信ぴょう性が高いと考えてしまうかもしれません。しかし、1つのデマが広がっていく中で脚色や勘違いが加わり、さまざまなバリエーションが生まれることも忘れてはいけません。

複数のユーザの画像や動画を見比べる

文章やうわさ話では複数のユーザが似たようなことを言っていても、信じてはいけないと紹介しました。
しかし、画像や動画の場合は一般的に短時間で加工がしにくいため、複数のユーザが「1つの場所を違う角度で撮影している」「水害などの同じ被害が、同じ地域で撮影されている」ときには確実性が高まります。この場合、「複数のユーザ」によって「同じ被害」が「異なる写真や動画」で報告されていることがポイントとなります。
念のため、写真や動画がある投稿のコメントと、投稿した人の前後の投稿もあわせて確認しておきましょう。

Google 画像検索を使用する。Exif をチェックする

熊本地震による「動物園からライオンが逃げ出した。」という投稿では、海外で過去に撮影されたライオンが道を歩いている画像が使われました。
このような場合には、Google 画像検索を使って確認をしましょう。画像のURLを入力して検索をしたり、画面に画像をドラッグ アンド ドロップしたりすることで、他のサイトで画像が使われていないかを調べることができます。

また、画像にはExifと呼ばれる撮影情報が含まれており、撮影日時や場所が残されていることもあります。もし、投稿と全く違う日時や場所が示されていれば、その情報はデマということになります。ただし、Exif情報を削除したり改変したりすることもできますので、投稿と同じ日付であったとしても信用せず、あくまで確認手段の1つとしましょう。
スマホのアプリやPCのソフトでExif情報を確認することができるほか、サイト検索で「Exif 確認」と検索するとWEBページ上でも確認することができますので試してみてください。

デマの収束にむけて

「化学工場の爆発により有害物質の雨が降る」のデマでは、元となった石油タンクの爆発のあった会社から「雨に混ざって有害物質が降るということはない」との発表がされた後には、デマを否定するツイートの方がはるかに多くなり収束していきました。
デマを広めるにも収束させるにもSNSは大きな効果を発揮しますので、もし情報がデマとわかった時には、元となる投稿にコメントを残したり、間違っていることを拡散させたりしましょう。
自分が間違ってデマを拡散させてしまった場合にも、デマの投稿を取り消し、誤りであったことを伝えることが大切です。

災害時はデマを信じやすく、拡散しやすい状況となります。本当かどうかわからない情報を拡散してしまうことで、信じた人がパニックをおこしたり、関係する組織に問い合わせが殺到し被災時の業務を妨げたりすることがあります。また、インターネットのつながりにくい被災地では、デマなどの不要な情報が大量に流れることで、本当に必要な情報が埋もれてしまうことも考えられます。

先ほど紹介したマサチューセッツ工科大学によるX(旧 Twitter)の研究では、真実と嘘のニュースを比べると、嘘のニュースのほうが70%も多くリツイートされたという結果が出ています。フェイクニュースは感情をたくみに利用して、たくさんの人に広がりやすいよう仕組まれています。
災害時に限らず、自分自身が間違った情報を拡散しないよう、不安やあせりを感じる情報ほど冷静にファクトチェックを行うようにしましょう。


参考資料

東日本大震災における Twitter 上での流言の発生,伝搬,消滅プロセス

MIT News
Study: On Twitter, false news travels faster than true stories

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
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