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貴重品をどう守る!?災害で増える盗難、避難時の防犯を考えよう
B!
貴重品をどう守る!?災害で増える盗難、避難時の防犯を考えよう
公開日: 2021/06/07
災害時には、「火事場泥棒」という言葉があるように、混乱に乗じて様々な犯罪が起こりやすくなります。
警視庁による、震災後の被災地における犯罪情勢の報告によると、燃料や自動車の盗難、無人の民家や店舗への強盗、またコンビニATMを狙った窃盗などが多く発生しています。また、避難所では、毛布の奪い合いや手元に置いてあったものが盗まれるほか、女性を狙ったのぞきや強制わいせつ、強姦といった性犯罪も発生しています。
さらに、時間の経過とともに、ストレスも原因の一つとみられる暴行や傷害、義援金名目で金品を騙し取るなどの詐欺犯罪なども発生しています。
災害時にはこうした犯罪が起こる可能性を知った上で、災害時の防犯対策も日頃から意識して、行っておきましょう。
もくじ
過去の災害に見る警察の動き(東日本大震災)
犯罪事例(東日本大震災でのケース)
犯罪事例(熊本地震でのケース)
避難するときには施錠を忘れずに
避難するときに携帯すべき貴重品
災害時に通帳やキャッシュカードを紛失してしまったら
自宅での保管に不安が残る貴重品は
過去の災害に見る警察の動き(東日本大震災)
2011年に発生した東日本大震災では、岩手県警察から約730人、宮城県警察から約850人、福島県警察からは約2270人に加えて、約150人の派遣部隊と、3県から約4,000人(最大時 約12,800人、車両 約1,000台 派遣)の体制で災害現場の任務に当たりました。
それぞれ、警備部隊(約150人)、刑事部隊(最大時約500人)、交通部(最大時約680人)、地域部隊(最大時約450人)、被災者支援(最大時約120人)、機動捜査(最大時約90人)の5つの部隊に分けられ次のような任務を行っています。
生存者の探索・救出・救助、行方不明者の捜索活動、被災地域住民の避難所誘導、地震によって大きく損壊した道路の一部を緊急交通路に指定し、緊急通行車両(人命救助、緊急の物資輸送等を行う車両)への標章の交付、信号機が故障した交差点での交通整理、多数のご遺体の身元確認、生活の安全と秩序を維持するためのパトロールや取り締まり、女性警察官が避難所を訪問して相談活動を行うなどの被災者支援と、多くの活動にあたりました。
犯罪事例(東日本大震災でのケース)
東日本大震災では、沿岸部地域で津波による甚大な被害が発生し、多くの住民が避難したために、発災当初から民家や店舗を狙った窃盗事件が多発しました。また、福島第一原子力発電所の半径20キロメートル圏内の警戒区域や計画的避難区域などでは、多くの方たちが家財などを自宅や店舗などに残したまま避難しなければいけなくなったために、街全体が無人となり、空き巣や出店荒らしなどの窃盗事件が多発しました。
岩手・宮城・福島の3県警察では、地域警察特別派遣部隊(1日あたり最大警察官449人、パトカー210台)のほか、全国警備業協会や各都道府県の警備業協会の呼びかけに応じた全国の警備業者が多数の警備員をボランティアとして動員して、警察と連携し、被災地での警戒や防犯パトロールなどの防犯活動を行いました。
さらに、震災によって閉鎖した金融機関やコンビニエンスストアなどのATMや金庫から、現金などが盗まれる事件が発生したことから、警察庁から金融機関などに対して、管理の強化や現金の早期回収を要請するなど、防犯対策の強化についての申し合わせも行われました。
災害時に起こる犯罪を防ぐために、警察や警備会社なども人員を割いて対応に当たりますが、大きな被害の出る巨大地震の際には、人命救助や行方不明者の捜索などが優先されます。災害時に犯罪被害に遭わないように、私たち一人一人が考え、備えておくことも必要なのです。
犯罪事例(熊本地震でのケース)
2016年に発生した、熊本地震。本震から約2時間半後、近くの公園に避難した女性が、所有していたアパートに毛布を取りに行ったところ、空室で物置にしていた部屋に男性二人組が侵入し、部屋を物色した形跡があり、身柄を警察に引き渡され、任意捜査を経て、12日後に熊本県警に建造物侵入と窃盗未遂容疑で逮捕されました。
逮捕された男性二人は、「震災直後は、家が無施錠になると考え、窃盗目的で福岡から熊本に来た」と証言しました。狙われた部屋は、女性が本震直後に荷物を取った後は、無施錠になっていました。
熊本地震の際には、このケースも合わせて、空き巣(未遂も含む)が23件、飲食店と携帯電話販売店の出店荒らしが各1件のほか、忍び込み、ホテル荒らし、建造物侵入、金庫破り、事務所荒らし、避難所での置き引き、物置荒らし、ビニールハウス荒らし、車上荒らしがそれぞれ1件ずつ発生したと、熊本県警がまとめています。
避難するときには施錠を忘れずに
災害時に、自宅が危険な場所になった場合には、避難所など、安全な場所に避難することが必要です。避難中の空き巣などを防ぐためには、やはり、しっかりと施錠して自宅を後にすることが基本です。
避難する際には、通電火災を防ぐためにブレーカーを落としてから避難することが大切ですが、ブレーカーを落とすことと合わせて、施錠してから避難することを心がけましょう。地震の揺れなどによって、家屋に損壊が見られる場合でも、できる限り施錠することが大切です。窓はサッシに元々ついているクレセント錠に加え、補助錠もつけてロックしておくと万全です。
窓ガラスが割れている場合には、できればタンスや書棚などでふさいだり、板を打ち付けておくと、空き巣が侵入する際に手間がかかるので狙われるリスクを下げられる可能性があります。
また、家族やご近所などに居場所を知らせるために、避難先を紙に書いて玄関などに貼っておくというようなことも言われますが、これは防犯を考えると避けたほうがいいことです。
避難先を家族などに知らせるためには、災害伝言ダイヤル(171)や災害伝言板(web171)を使用するなど、日頃から家族と話し合っておきましょう。毎月1日と15日には体験利用もできるので、家族と一緒に体験しておくと、災害時にも少し冷静に対応できるようになるはずです。
避難するときに携帯すべき貴重品
不特定多数の人が身を寄せる避難所などは、防犯の観点では決して安全な場所とは言えません。避難所で盗難が発生したケースもあります。避難所では、貴重品は他人の目につかないように、すぐ手が出せないような場所に置くようにしましょう。ウエストポーチなどに入れて、常に身につけておくようにすることも、対策の一つです。
避難するときに、どこまでの貴重品を携帯すべきなのかは、難しいところです。
最低限必要なものとしては、やはり現金(小銭を含む)です。クレジットカードも持っていくと、すぐに預金を引き出せない場合にも心に余裕が持てます。さらに、健康保険証や運転免許証、年金手帳、パスポート、マイナンバーカードなどの身分証明書。認め印で構わないので、印鑑。銀行通帳は持ち出せなくても、口座番号の控えは持っておきましょう。
災害時に通帳やキャッシュカードを紛失してしまったら
いくらか現金を手元に用意しておいたとしても、避難生活が長引くと、銀行などから預金を引き出す必要も出てきます。災害による混乱や被災状況によって、通帳やキャッシュカードを紛失してしまったり、持ち出せない事態に陥る場合もあります。
災害救助法が適用されるような大規模災害が発生した場合には、通帳やキャッシュカード、届出印がなくても、本人確認ができれば、払い戻しできるようになります。
災害救助法が適用されるような災害が発生した場合、日本銀行は財務局などと連名で、被災した地域の関係金融期間などに対して「災害時における金融上の特別措置」を要請します。特別措置が講じられると、預金証書や通帳を紛失した場合でも預金者本人であることを確認して払い戻しに応じてもらえるようになります。また、届出の印鑑のない場合には、拇印で応じられるようになります。さらに、事情によっては、定期預金や定期積金の期限前の払い戻しや、これを担保とする貸付にも応じられるようになります。国債を紛失した場合の相談にも応じてもらえます。
ただし、銀行によっては1回の引き出しに限度額(10万円程度)がある場合もありますので、取引のある金融機関の窓口やコールセンターなどに相談するようにしましょう。
自宅での保管に不安が残る貴重品は
土地の権利証や有価証券などの重要書類、貴金属などの資産、実印など、災害時には避難するときに持ち出すことも、自宅で保管しておくことも不安が残るものもあります。
こうした資産や貴重品を安全に管理するために、銀行や信用金庫などの貸金庫を利用するのも一つの方法です。
金融機関の貸金庫は、定額料金を支払って、利用します。ただし、その金融機関に口座を保有していることや、事前審査に通ることが条件です。また、貸金庫に空きがあることも必要です。
貸金庫には、貸金庫専用カードや鍵で開けるタイプの金庫と、暗証番号で利用できる金庫があります。さらに、静脈などによる生体認証で利用するタイプのものもあります。普段、貸金庫が使える時間帯なども、金庫のタイプによって様々なので、取引のある金融機関に確認しましょう。
ただし、金融機関の貸金庫自体は、地震や火災に耐えられるように作られてはいますが、金融機関が被災して、建物が倒壊すれば、貸金庫に預けたものはすぐに取り出せなくなることもありますし、災害によって金庫内のものが紛失したり壊れたりしても保障はされません。現金や総合口座の通帳などは、貸金庫での保管には向いていないということです。
こうしたメリット・デメリットも理解した上で、災害時の防犯も考えて、何をどこに保管するのが一番安心できるのか、平時から考え、対策を講じておくことが大切です。
その他、災害時の犯罪についてはこちらのページで紹介をしていますので、リスクを知った上で準備をしておきましょう。
災害時はかっこうのまと?火事場泥棒が多発する災害時の犯罪事情
この記事を書いた人
瀬尾 さちこ
防災士。住宅建築コーディネーター。整理収納コンサルタント。
愛知県東海市のコミュニティエフエム、メディアスエフエムにて防災特別番組「くらしと防災チャンネル(不定期)」、「ほっと一息おひるまメディアス(毎週水曜日12時〜)」を担当。
以前の担当番組:みんなで学ぶ地域防災(2021年~2021年)、防災豆知識(2019年~2021年)
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