避難所に行かず家にとどまるために、日ごろからの備えを見直しておきましょう。
安全対策
負傷をしてしまえば自宅では過ごせなくなってしまいますので、まずは家具や家電の転倒防止対策をしておきましょう。
家の地震対策を万全に!家具を固定して転倒を防止&耐震基準を確認しよう
転倒防止のほかにも、ガラスには飛散防止フィルムを張っておきます。割れたガラスによって負傷するリスクを防ぐほかに、ガラスにひびが入ってもフィルムが破けなければ、吹き込む風を防ぐことができます。また、災害時に多くなる盗難のリスクも減らすこともできます。
寒い季節に窓が大きく割れていれば、その部屋では過ごせなくなってしまいますので、手間を惜しまずに対策しておきましょう。なお、フィルムも割れてしまったときには、ブルーシートとガムテープで窓をふさぐと応急処置をすることができます。
ローリングストックで備蓄しよう
電気や水道、ガス、食料の輸送が止まっても過ごせるよう備蓄をしておきましょう。備蓄品は水や食料の他に、生活をするための日用品も必要になります。
必要となるものは人それぞれ。一般的に必要とされるものの他に、赤ちゃんや高齢者のためのもの、持病などによって必要となるものをリストアップして備えておきましょう。
もし、命にかかわる薬がある場合には、1週間程度の予備を用意しておくことをおすすめします。
何がどれくらい必要?モデルケースで考えるローリングストックのチェックリスト
備蓄しておく量を何日分にするか迷うかもしれませんが、目安は最低3日分。
ただし、静岡県から宮崎県までの広い範囲で被害がおこる南海トラフ地震や、人口の多い場所でおきる首都直下地震では、支援物資が多くの人に届くまでに時間がかかります。内閣府が想定しているこの2つの地震では、1週間分の備蓄が推奨されていますので、できれば1週間分を目指しましょう。
しかし、1週間分の食料をすべて、乾パンやアルファ米などの非常食で用意するのは大変です。
そのため、いつも食べる缶詰やレトルト食品を多めに買っておいて賞味期限の近いものから食べる、ローリングストックという方法を使うと、特別な非常食を用意しないでも備蓄をすることができます。
また、カセットコンロを用意しておき、お米やパスタ、冷蔵庫のものもうまく使うようにしましょう。
災害時の食料品はどれくらい必要?どう備蓄する?おいしい食事のためにひと工夫
なお、1人が1日に最低限必要とする水の量は、調理や飲み物に2リットルと、食器や体をふくなど衛生のために1リットル、合計3リットルとされています。
3日であれば9リットル、7日分だと21リットルとなりますので、備蓄の目安にしてください。
台風や大雨のときにも断水がすることがありますが、被害が大きくなるとの予報がでたときには、鍋や空いたペットボトルなどに水をためておくとよいでしょう。ゴミ袋を2重にしてダンボールに入れ、水をためて口をしばっておくのもよい方法です。
水の汲み置きをするときには浄水器を通さないように。消毒のためのカルキが浄水器によって濾過されてしまうため、保存できる日数が短くなってしまいます。浄水器を通さない水道水は、密封して日光を避ければ3日ほど使用できます。
見落としがちなトイレの備蓄
下水施設が故障すれば、トイレを流すことができなくなります。2019年の台風19号によって、首都圏のマンションの高層階で流した下水が、低層階に逆流したニュースを覚えている人も多いかもしれません。
台風や大雨に限らず、地震のときにも下水施設が故障することがあります。たとえ断水していなくても、しばらくは水を流さないようにしましょう。
しかし、人は必ず排泄をしなければなりません。
過去におきた災害では、トイレを控えるために飲食の量を減らした人が体調を崩して、災害関連死につながったこともありますので、健康を保つためには排泄はとても重要なことなのです。
水を流さないでトイレを使うために、非常用トイレ、携帯トイレといった名前の商品があります。1人が1日に使うトイレは平均5回とされていますので、家族の人数分の備蓄をしておきましょう。
地震や台風でトイレが使えない!携帯トイレ(簡易トイレ)を備蓄して災害にそなえよう
避難所は家にいられなくなった人が、命を守るための施設です。
ホテルや旅館のようにお世話をしてくれる人がいるわけではなく、集まった人が協力をしながら運営を行います。もし、家に問題が無ければ、避難所に行かない方が快適なことは間違いありません。
本当に避難所を必要とする人のためにも、しっかりと備えをして家で過ごせるようにしておきましょう。このような一人一人の備えが、災害による地域の被害を軽減し、結果として他の人を助けることにもつながるのです。