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「地震ザブトン」を体験!過去に起きた地震の揺れからわかる、危険なポイントとは?

部屋の中でリアルな地震の揺れを体験できる地震ザブトン。
以前、moshimo ストックで取材をしたときには、新型コロナウィルスの流行が始まった当初だったため、実際に体験することはできなかったのですが、今回開発をしている白山工業へ伺い体験することができました。


白山工業は火山や地震の計測機器とシステムを開発・販売する会社です。長年培ってきた地震観測に関するノウハウを生かし、過去に起きた地震の揺れを実際に再現する「地震動シミュレーター」として地震ザブトンは開発されました。
そのため、過去の地震の記録をもとに、前後左右の揺れの動きをそのまま体験することができるのです。

実際に地震ザブトンを体験してみてわかったのは、揺れの激しさはもちろん、地震によって揺れ方が全く違うこと。そして、家庭やオフィスなど、場所によってどんな危険があるかが実感としてよくわかりました。
今回は、地震ザブトンで体験できる内容とともに、危険を感じたポイントを紹介します。

過去に起きたさまざまな地震を選べる

地震ザブトンには過去に起きた地震のデータが登録されており、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、新潟県中越地震、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、平成28年熊本地震、高層ビルで起こる長周期地震などから、自分の体験したいメニューを選ぶことができます。
いくつかの地震を体験させてもらったのですが、実際に体験してみると、その揺れの様子はさまざまです。

海溝型地震



こちらは東日本大震災の揺れを再現した、海で起きた巨大な地震の揺れが陸まで伝わって起こる「海溝型地震」の様子です。

体験してみると、震源から離れているにも関わらず、体が振り回されるような強い揺れでとても立っていることなどできそうにありません。
何より驚いたのは、揺れの長さです。いつ終わるかわからない揺れがずっと続き、家具が次々に倒れる様子は、なんと恐ろしいことか。

今回は体験のため90秒程度で揺れを止めていますが、大きな海溝型地震では揺れが長くなるのが特徴で、東日本大震災でも震度4以上の揺れが2~3分続いた地域がありました。

小さな揺れがだんだんと大きくなっていきますが、揺れが大きくなった時にはもう安全な場所に移動できなくなってしまいます。
小さな揺れだと大事に考えず行動をしない人も多いかもしれませんが、たとえ家具が固定されていたとしても絶対に安全とは考えず、後に続く揺れに備えて素早く安全な場所に移動することが大切です。


直下型地震(内陸型地震)



こちらは熊本地震の揺れを再現した、陸地の下が震源となる「直下型地震」の様子です。
直下型地震では、前触れなく、いきなり大きな揺れが起こります。体は大きく振り回され、一瞬で部屋の中の物は倒れ、めちゃくちゃな状態になってしまいます。
体感してわかったのは、直下型地震では身を隠す余裕はないこと。地震が来たらテーブルの下に隠れると言われますが、揺れている最中には床をはって移動することもできません。

動画を見るだけでも、大地震の恐ろしさがわかるのではないでしょうか?
実際に地震サブトンを体験してみると、体はこわばり椅子にしがみつくしか、なすすべがない状態。身を守ることもできず、部屋の中がかき回されるのを目にするのは大きな恐怖です。
本当に、どんな状態でも安全に過ごせるようにしておくために、事前に準備することの大切さを実感できました。

VRに進化した「地震ザブトン+SYNCVR」


ここまで紹介をした地震ザブトンは、実際に部屋を揺らした映像を投影するタイプとなりますが、2021年6月からは新しいVR(ヴァーチャル・リアリティ)システムを用いた「地震ザブトン+SYNCVR」が提供されるようになりました。
「地震ザブトン+SYNCVR」では、地震の揺れのデータを3Dモデル上でシミュレーションすることにより、リアルタイムで室内の被害が表現されたVR映像を生成。そのVR映像を地震ザブトンの揺れと同期させることで、よりリアルな体験が可能です。

VRではいっそう臨場感が増すほかにも、3Dで作られた部屋のいろいろな場所を移動して体験できるため、それぞれの場所で起こる危険を知ることができます。
また、実際に部屋を揺らして撮影をするのに比べ、コストが格段に下がり、3Dモデルを作るだけで様々なシチュエーションを用意できるメリットもあるそうです。

地震ザブトンの体験を、実際に活かしてほしい

大地震がくるとどうなるか、知識としては知ってはいましたが、やはり百聞は一見にしかず。地震ザブトンの体験で、大地震の中で人は揺れに翻弄され、なすすべがないことを改めて実感することとなりました。

(提供 白山工業)

通常の地震ザブトンの体験イベントは、事前に地震のことを「学び」、地震ザブトンの「体験」を行い、最後に身の回りにどんなことが起きるかを「考察」してもらう、という3つのパートで作られています。
そして、最後に防災のパンフレットを持ち帰ってもらうことで、地震体験だけで終わることなく、日々の備えにつなげてもらうことを大切にしているとのことでした。

みなさんも、突然大きな揺れがおそってきても、安全に過ごせるようになっているか、もう一度家や職場のチェックをしてみませんか?

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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