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高齢者の災害準備には何が必要?家族ができる防災ってどんなこと?

近年の大規模災害による犠牲者のうち、高齢者の占める割合は、約6割と言われています。

また、災害が起きた後の避難生活で、体調を崩して亡くなってしまう「災害関連死」と認定された人の約9割が高齢者であると考えられています。この数字だけみても、高齢者は災害に弱いということが分かりますよね。

少子高齢化や核家族化により、高齢の両親と離れて暮らしている家庭も多くなっています。遠くで暮らす家族を守るための防災って何から準備したらいいのか分からいという方も多いと思います。家族ができる防災対策をご紹介します。

地域の協力体制の確認

1.高齢者支援の総合窓口「地域包括支援センター」へ連絡しましょう

ご高齢の両親・親族と離れて住んでいるとき、誰に家族のサポートを頼んだらいいのか分からないですよね。まずは、家族が住んでいる市町村にある「地域包括支援センター」に連絡をしてみてください。

地域包括支援センターとは、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、またはその支援のための活動に関わっている方が利用できるサービスです。

介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」で、介護予防や見守り、災害復旧時などかなり広範な高齢者支援をしています。 どんな支援をしてくれているのか、被災経験のある地域包括支援センターが災害復旧時に行った対応をいくつかご紹介します。
  • 被災者の避難先の確認
  • 被災者の体調把握
  • 福祉ニーズの把握
  • 被災高齢者の心のケア
  • 被災者の自宅訪問
離れて暮らす親が心配な場合には、早い段階から相談をしてみてはいかがでしょうか。

全国の地域包括ケアセンター一覧

2.危険箇所や避難場所を事前に確認しておきましょう

最近では、ご高齢でもスマートフォンを使いこなせる方は多くなっていますが、若い世代と比べると触れる情報の量は少ないのではないでしょうか。

災害時により早く安全に避難するためにも、お住まいの地域の危険な場所、避難経路などをあらかじめ把握することはとても大切です。

また、介護が必要であったり、災害時に自ら避難することが困難な方は、「避難行動要支援者名簿」に申請・登録しておく方法があります。

この名簿情報は、避難支援者(消防機関・警察機関・民生委員・児童委員・自主防災組織)に提供され、災害発生時の円滑かつ迅速な避難支援や見回りなどの支援を行ってくれます。
※内容は市区町村によって異なりますので、各地域の役所にご相談下さい。

3.ご近所と交流して、対処してほしいことを事前に伝えておきましょう

高齢者の一人暮らしやご夫婦のみの世帯が増え続けるなか、地域とのつながりはますます重要になってきます。特に災害のときは、ご近所同士の助け合いが重要になります。

日頃からご近所の方と交流を図り、災害のときに対処してほしいことを事前に伝えるようにしましょう。

実家に帰省したときやってみよう!防災対策

・家具や家電の固定

近年は、防災面からも造り付け家具を採用する家庭が多いと思いますが、実家を思い出してみて下さい。昔の家具は大きくて、作りもどっしりしっかりしていませんか?

阪神・淡路大震災時に、建物の中で怪我をした人の約半数は家具等の転倒、落下が原因だったという調査結果があります。このように災害時は、倒れてきた家具で怪我をしたり、テレビや電子レンジ、パソコンなどの電化製品が、激しい揺れで飛んでくることが考えられます。

そのため、家具や家電はしっかりと固定し、災害時の怪我から身を守れるよう備えておきましょう。



・安全な場所を考えて家具を配置

家具の固定をしていても、長時間の強い揺れには耐えられないことがあります。「家具の防振は身を守る時間を稼ぐため」「家具は必ず倒れるもの」と考えて、倒れた家具で怪我などすることなく安全に避難できるように、家具の向きと配置を確認しましょう。

チェックポイントをあげておきますので、参考にしてみてください。

  • 倒れて扉や通路がふさがる位置には家具を置かない。
  • ベッドの近くに覆いかぶさるような大きな家具を置かない。
  • 部屋の中央に間仕切り用途で家具を置かない。
  • 避難動線上にものを置かない。
  •  
・家具の上や中身の物を整理

阪神・淡路大震災時に、建物の中で怪我をした人の約3割は、ガラスの飛散が原因という調査委結果があります。家具本体だけでなく、家具の引き出しや扉、ガラス部分も確認しましょう。

収納物が飛び出して身体に当たったり、避難経路に散乱して、怪我をする危険があります。扉が開かないように留め金をつけ、ガラス飛散防止フィルムを貼るなどの対策をとりましょう。また、転落防止のため家具の上や高い位置に重い物を置かないようにしましょう。

・緊急時の対応について家族と話し合う

災害が急におこると、みんなが一斉に安否確認を行います。そのため、電話の回線はパンクし連絡が取れない状況が続き時間だけが過ぎてしまう可能性も考えられます。事前に、安否確認の方法や待ち合わせ場所など決めておきましょう。




高齢者に必要な防災グッズ

・キャリー式防災リュック
高齢になると思い荷物を背負って非難することが難しくなります。緊急時や歩きにくい道だけ背負うか手で持って運び、平坦な道の時はカートを引くことができるキャリー式防災リュックを準備しましょう。

キャリー付き防災リュックご紹介

・老眼鏡、メガネ
突然の災害にあわてて避難をすると、普段使用しているものを持って出られない可能性があります。予備の老眼鏡、メガネを非常用持ち出し袋(防災リュック)の中へ入れておきましょう。

・服用中の薬
災害時の医療は生死に関わる人が優先されます。「飲まないと日常生活に支障をきたす」「飲まないと調子が悪くなる可能性がある」という薬は必ず準備しておきましょう。

・ウェットティッシュ
高齢者は加齢による変化で、免疫力が低下し若い人よりも感染症が起きやすくなります。災害時は、抵抗力が落ち、体力、気力も奪われているためその傾向が顕著になります。避難所や避難場所では衛生管理が難しいため、ウエットティッシュを入れておきましょう。

・折りたたみ杖(ステッキ)
避難先への道路や階段は日頃の状況とは異なり、ひび割れていたり、ガレキに埋もれている可能性があります。いつもは使わない方も杖があることで、身の安全や安心を確保し楽に歩くことができるので、玄関には常に折りたたみ杖(ステッキ)を準備しておきましょう。

折りたたみ杖のご紹介

家族の安全を守りましょう!

災害時の映像を見ると、一番目立つのはご高齢の方ですよね。
離れて暮らす田舎の両親や親族をどうするかは、家族にとって切実な問題です。災害はいつ起きるかわかりません。安否確認が取れない、転倒した家具で怪我をしてしまったといったように困らないよう、家族だからできる備えをしていきましょう。
現在は、高齢者のための支援サービスもたくさん出てきているので、早い段階から準備し、家族の安心につなげていきましょう。

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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