スフィア・プロジェクトでは、一人一日3〜6Lが調理に使うために必要な水の量とされています。しかし、調理や洗い物に使う水は、ちょっとしたアイデア次第で節水しやすいところでもあります。
例えば、洗い物を減らす工夫。
割り箸や使い捨てのフォークやスプーン、ビニール袋やキッチンラップ、飲み終わった牛乳パックなどを備蓄しておくことも、洗い物を減らすことにつながります。
ビニール袋やキッチンラップは、お皿にかぶせて料理をのせれば、食べ終わった後はビニール袋やキッチンラップを捨てるだけで洗い物をする必要はありません。
きれいに洗って乾燥させておいた牛乳パックは、開いて、使い捨てのまな板がわりになります。また、包丁を使わずにキッチンバサミで食材を切るようにすれば、まな板さえも必要ありません。
調理に際しては、水を節約できる調理方法として「パッククッキング(ポリ袋調理法)」があります。耐熱性の厚手のポリ袋に食材や調味料を入れて、袋のまま鍋で湯煎するという調理方法です。一つの鍋で主食やおかずなど数種類が一度に調理できることや、加熱に使った水(湯)は繰り返し使えること、調理した袋のまま食器にのせて食事すれば食器も汚れずに洗い物が出ないことなど、災害時などには多くのメリットがある調理法として注目されています。
ただし、どんなポリ袋でもパッククッキングに使えるわけではないので、注意が必要です。
透明なビニール袋は、湯煎にかけると溶けてしまうので、使えません。また、スーパーのレジ横に設置されているようなポリ袋も、半透明で耐熱性はありますが、薄いのでパッククッキングには向きません。
パッククッキングに使用するポリ袋は、「熱湯ボイル用」「耐熱性110度以上」
などの表記があり、厚みが0.009〜0.015mm程度あるものが適しています。
湯煎可能な食品用ポリ袋も市販されていますので、こうしたものを備蓄に加えておくと良いでしょう。
また、ポリ袋が高熱の鍋底に直接触れると溶けてしまうこともありますので、鍋の底に陶器など耐熱のお皿を敷いておくようにしましょう。
水は私たちの暮らしの中で、なくてはならないものです。
しかし、災害などで断水して水が使えなくなる可能性は、誰にでもあることです。水を貯めておく方法は、他にも雨水タンクを設置して雨水を貯めておくなどという方法もあります。また、節水する方法も、アイデア次第で他にも色々とあるはずです。節水するために、備蓄しておいたほうが良いものもあるはずです。
何もない平時から、もしも断水をしたらどう乗り越えるのか、考えて、できる限り備えておきましょう。
<参考資料>
東京水道局 もっと知りたい「水道」のこと
スフィア・プロジェクトにける最低基準
厚生労働省 近年の自然災害による水道の被害状況
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書
東京防災
警視庁 ペットボトル水の賞味期限について
Panasonicエコキュート非常時にできること
ダイキン株式会社 非常用水として使うとき
東京都水道局 くらしと水道 災害時に水を配る場所〜災害時給水ステーション〜
農林水産省 時短にも非常時にも!パッククッキング
農林水産省 パッククッキングの方法と調理バリエーション