自宅で地震にあった場合には、まずは家具や窓から身を離し、なるべく安全な場所で頭や頸椎(首のうしろ)を守ります。
家の地震対策を万全に!家具を固定して転倒を防止&耐震基準を確認しよう
家具や電化製品は固定し、高いところには重いものや硬いものをおかないように対策をする必要がありますが、災害は想定外のことがおきるもの。非常に強いゆれがおきたときには、固定したものが倒れてきたり、飛んできたりすることもあります。また、家具を固定していても、引き出しが飛び出してくることもあります。
万が一にそなえて、ゆれを感じたら危険なものから離れ、机の下になどに移動して身を小さくしましょう。
海溝型地震という陸地から離れた海でおきる地震の場合には、大きなゆれが来るまえに小さなゆれがあったり、緊急地震速報が通知されたりするため予兆があれば安全な場所に移動します。しかし、直下型地震という地面の下でおきる地震の場合には予兆が無く、いきなり大きなゆれが襲うことがあります。
突然、震度6強以上の強烈なゆれがおきれば、床をはって移動することもできなくなりますので、安全な場所にたどりつけないときにはその場で頭と頸椎を守ります。クッションのほか、雑誌や、硬い板状のものがあれば、頭の上に10cmくらい離して浮かしてもつことで、衝撃を直接受けずに吸収できます。
もし、頭を守れるものが何もなければ、床に身体を小さく丸めて頭をなるべく体の中に引き寄せ、手で直接頸椎をおおいます。この場合には手は首から離さずぴったりとつけましょう。
寝ているとき
寝ているときに地震がおきたときには、布団にくるまりガラスなどの割れものから身を守るようにしましょう。
地震がおさまった後は明かりをつけずに床を歩かないこと。割れたものが散乱していて足を切ってしまうことがあります。足を怪我すれば歩くことが出来なくなってしまいますので、枕元にライトや底の厚いスリッパなどを、飛ばされないように用意しておくことも大切です。
料理をしているとき
キッチンには危険なものがたくさんあります。昔は「ゆれを感じたらまずは火をとめる」といわれていましたが、この方法は鍋など火にかけているものが自分にかかり火傷することがあります。お皿やコップの割れるものや、包丁などの鋭いものもあるため、出来るかぎりキッチンから遠ざかります。
震度5以上のゆれがおきると、自宅にあるガスメーターが自動でガスを止めるようになっていますので、ガスコンロの周りに燃えやすいものがなければ火災につながる心配はほとんどありません。ゆれがおさまってから火にかけているものを片付けましょう。
もし、燃えやすいものが火にかぶさって燃えた時には、消火器やエアゾール式簡易消火具(スプレータイプの消火器具)を使って消火します。
消火器などが無い場合にはタオルを濡らして火元をおおうことでも消火する方法もありますが、確実に火を消せるように消火器を用意しておきましょう。
一般的には火が天井に燃えうつった場合には消火できないため、避難を開始するといわれていますが、実際には壁やカーテンに燃えうつってしまうと一般的な消火器で消すことは難しくなりますので、自分の命を最優先に避難をおこないましょう。
トイレやお風呂にいるとき
昔の家ではトイレは柱が多いため家の中で一番安全と言われていましたが、今の建築では柱が多くあるわけではないため、部屋自体の耐震性はそれほど変わりません。ただし、落ちてくるものや倒れてくるものがないという点では安全でしょう。
しかし、トイレは大きな窓が無いため、ドアの枠がゆがむと閉じ込められてしまうというデメリットがあります。ゆれを感じたらすぐにドアを開けるようにしましょう。
お風呂も倒れてくるものや落ちてくるものが無いという点では安全ですが、何も身に着けていないため、割れたものが散乱すると負傷しやすくなります。落ちて割れるものや、重いものはお風呂場にはおかないようにしておきます。
ゆれがおきた時には滑って転ばないよう、しゃがんで浴槽のはじをつかみましょう。
ゆれがおさまった後
ゆれがおさまった後に一番けがをしやすいのは散乱した割れものです。
暗く足元が見えない中では行動せず、各部屋にライトを用意して安全を確認しながら移動します。ライトが手の届かないところにあるかもしれないので、スマートフォンを持ち歩いて明かりをつけるのもよいでしょう。
また、家のなかでは底の厚いスリッパをはくようにします。スリッパをはいていない場合には、一時的にクッションや雑誌を床に置き足をのせて、転ばないように移動します。
足元の安全が確保できたら、さらなるゆれにそなえ、家の中に閉じ込められないように部屋や玄関のドアを開けて避難経路を確保します。