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火山の噴火がおこす深刻な被害、火山灰によって広がる災害について知ろう

地球の表面を覆う厚さ100kmの大きな岩盤「プレート」。このプレートの境目では地震が多く発生するほか、陸地にたくさんの火山が作られます。日本は4つのプレートの重なりある場所にあるため、日本列島にそってたくさんの火山が並んでいます。
火山は温泉や地熱を生み出すなど良いこともあるのですが、ひとたび噴火がおきると深刻な被害をもたらします。今回は噴火による災害、注意点、避難の目安となる警報についてお伝えします。

日本は火山の密集地帯

プレートの境目となる日本列島には非常に多くの山々がありますが、この中で今後火山活動をおこす可能性のあるものを「活火山」と呼んでいます。
火山が噴火を繰り返す寿命は非常長く、数千年にわたって活動をしていなかった火山が再び活動を始めることもあります。そのため、おおよそ過去1万年以内に噴火した火山、および現在活発な噴気活動のある火山を活火山とさだめています。
この基準に当てはまる活火山は日本に111あり、そのなかでも今後100年で噴火の可能性があり社会的影響の大きいとされる火山が50あります。※1
この50の火山は気象庁によって24時間体制で常時観測・監視され、噴火の前兆がある場合には噴火警報などが発表されます。
※1 活火山と監視・観測の必要な火山の数は2020年11月時点のもの

プレートやその下にあるマントルによって引きおこされる地震と噴火は密接に関係しており、世界でおきたマグニチュード9クラスの地震の後には、ほとんど場合の噴火がおきています。噴火のあとに地震がおきることもあり、互いに誘発をするため注意が必要です。

火山の噴火がおこす災害

噴火が起こると、噴石(大小さまざまなもの)、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、火山灰、火山ガスによる被害がおこります。
この中でも、大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流は、噴火から避難までの時間がほとんどなく命にかかわる危険が大きいため、噴火警報があった場合にはすばやい避難が必要となります。

大きな噴石

噴火によって火口から吹き飛ばされる岩石のうち、おおよそ20~30cm以上となるものをいいます。河口から近い場所ではコンクリートの屋根に無数に穴があけられ、大きなものでは自動車くらいの大きさの岩が飛んでくることもあります。

火砕流

数百度の度の高熱の火山灰や軽石、火山ガスが一体となって地表を流れてきます。そのスピードは時速100km以上となり、山のふもとの住宅地を焼き尽くすことがあります。

融雪型火山泥流・火山泥流

雪が積もった山で火砕流が発生し、溶かされた雪、火山灰、土砂が混ざって大きな流れとなります。泥流は時速 数十kmとなることがあり、ときには谷や沢をつたって10km以上の距離を流れ、すさまじい力となり建物などを押し流します。雪が積もっている場合にはとくに泥流に注意が必要です。
雪以外にも、火山から噴出したものが水と混ざる、湖のなかで噴火がおきる、火口から熱水が噴き出す、火山灰や軽石が雨によって流されるなど、さまざまな理由で火山泥流がおこります。

溶岩流

溶けた溶岩が地表を流れてきます。比較的ゆっくりとした流れのため徒歩で避難できる場合もあります。しかし、800~1200度の溶岩が住宅地に到達すると、家を焼き尽くし、鉄筋コンクリート造りの建物や道路も埋もれてしまいます。また、農耕地に溶岩が流れると田畑として使えなくなるなど、その後の生活に非常に深刻な被害を起こします。

小さな噴石・火山灰

噴火によって火口から吹き飛ばされる岩石のうち、直径 数cm程度のものが小さな噴石と呼ばれます。とくに火口付近では小さな噴石にあたり登山者などが死傷することもあります。
直径2mm未満となるものは火山灰と呼ばれ、風によって広く運ばれて咳や呼吸困難、目のかゆみや痛みをおこすほか、農作物や交通機関、建物に被害をあたえます。

火山ガス

火山により地上に噴き出た高温のガスのことで「噴気」とも呼ばれます。
水、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素などを主成分としており、火山ガスを吸引すると呼吸器の障害や中毒などをおこすことがあります。

広範囲に被害が広がる火山灰

広い範囲に振る火山灰

噴火が起こすさまざまな被害の中でも、火山灰は広い範囲まで届きます。
1707年の富士山がおこした宝永噴火では関東圏の広い範囲に火山灰が降り、新宿で1~2cm、品川や千葉県北部で4~8cmもの火山灰が積もっているほか、新宿には砂状の粒、品川に軽石が飛んでいます。

健康被害

火山灰の1粒1粒はとても固く尖っているため、咳や呼吸困難、目のかゆみや痛み、結膜炎などの健康被害をおこします。布で口をおさえたりマスクなどをして吸い込まないように気をつけるほか、コンタクトレンズを外してメガネを使うようにしましょう。
また、皮膚につくと炎症をおこすこともありますので、傘をさしたり、肌を出さない服装をします。

生活・ライフラン・交通

生活への影響としては、農作物への被害が大きくなります。コンピュータや精密機器の中に火山灰が入って故障したり、屋根に積もった火山灰の重みに耐えられず木造建築が倒壊することもあります。
また、火山灰の重みによって電線が切れ、停電につながることもあります。

交通では火山灰によって視界が悪くなるほか、道路のセンターラインや横断歩道が見えなくなる、車がスリップすることがありますので、なるべく運転をしないようにしましょう。
また、飛行機の窓ガラスを傷つけたりエンジンを故障させることもあるため、航空便が欠航となります。

火山灰を片付けるとき

火山灰を片付ける時はゴーグルやマスクをつけて、なるべく体の中に取り込まないようにすること。また、火山灰はとてもすべりやすいため、屋根の上の火山灰をおろすときには、ヘルメットや命綱をつける、事故にそなえ作業は2人以上で行うなど細心の注意をしましょう。
また、火山灰はとても詰まりやすいため、雨どいや下水に流さないようにすることも大切です。

火山が噴火しそうになったら

警報レベル

火山活動の観測により火山の噴火が予測される場合、噴火警戒レベルが発表されます。

レベル1 活火山であることに留意

火口内で火山灰の噴出が見られる(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)場合。登山者への制限はとくにありませんが、状況によって火口内への立入規制がされます。

レベル2 火口周辺規制

火口周辺に影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは予測される場合。
登山客へ火口周辺の立入規制がされます。

レベル3 入山規制

居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生、あるいは予測される場合。
登山客へ入山が禁止、または危険な地域への立ち入りが規制されます。
居住地域では、避難に時間のかかる高齢者などの要配慮者がいる場合には“避難の準備”を始めます。

レベル4 避難準備

居住地域に重大な影響を及ぼす噴火が発生すると予測される(可能性が高まっている)場合。
警戒が必要な居住地域での“避難準備”を始めます。要配慮者がいる場合には“避難”を行います。

レベル5 避難

居住地域に重大な影響を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫している状態にある場合。
危険な居住地域から“避難”を行います。

避難エリア外での注意

避難エリア外にも火山灰などが降ってくることがありますので、近くに住んでいる場合には火山灰になるべく触れないよう対策をしましょう。

噴火前

天気予報などで火山灰の降る範囲を確認。必要に応じて、窓を閉め、外出時は傘やマスクを用意します。

噴火後

気象庁ウェブサイトなどで今後の降灰量を確認し、なるべく外出を控える。外出が必要なときには傘やマスク、メガネ、ゴーグルを着用します。

気象庁 | 降灰予報

噴火に注意する地域

噴火の可能性が高く、監視・観測の必要とされている50の火山は、噴火がおきたときにどのように溶岩や火砕流が流れてくるかをまとめたリーフレットが作られています。
気象庁|各火山のリーフレット

また、火山による災害がおきる各地域のハザードマップが、下記のサイトでまとめられています。
火山ハザードマップデータベース

お住まいの地域に注意が必要な火山が無いか確認してみましょう。

登山をする方へ

登山をするときにも登る山が活火山かどうかを確認し、現在の活動状況を確認するようにしましょう。
火山登山者向けの情報提供ページ(全国)

その他、火山を登るときの注意事項は、内閣府がリーフレットを公開していますので参考にしてみてください。
内閣府 登山者の努力事項ご存知ですか?


日本ではこれまで、100年間に5,6回の頻度で大規模な噴火がおきていました。しかし、ここ100年は大規模な噴火がおきておらず、過去の歴史から見ると非常に静かな状況となっています。
そのため、地震とくらべると印象の薄くなっている火山の噴火ですが、1707年の富士山がおこした宝永噴火では16日間にわたって噴火を繰り返しています。大噴火がおきたときにそなえ、どのような行動をすればよいか覚えておきましょう。

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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