B!

思わぬ事故を防ぐ。カセットコンロ・カセットボンベの安全な使い方

鍋料理のおいしい冬、活躍の場面が増えるカセットコンロ。自宅でもアウトドアシーンでも使える便利なアイテムですが、扱いを間違えると爆発や火災といった大きな事故につながる危険性もあります。この記事では、カセットコンロとその燃料となるカセットボンベの安全な使い方、さらには処分方法についても紹介します。

カセットコンロの安全な使い方は?ボンベが熱くならないように扱おう

まずは、カセットコンロの安全な使い方から解説します。第一に、カセットコンロの寿命は10年ほどが目安です。古いものを使用している場合は危険であることを認識し、買い替えをご検討ください。

言うまでもありませんが、使用上の基本的な注意事項もしっかりと守りましょう。たとえば、「カセットボンベを正しくセットする」「調理以外の用途に使用しない(木炭・練炭の火起こしなど)」「カセットコンロのしる受け・ごとくを外したり、逆さにしたりして使用しない」などは大原則。

また、ボンベが過熱されると、容器が爆発してしまうリスクがあります。コンロを2台以上並べたり、コンロのサイズを覆う鉄板のような調理器具を使用したりするのは、ボンベの熱がこもりやすくなるためNG。鍋料理やたこ焼きなどを大勢で楽しむ場合も、ボンベの上にかぶさらない大きさの調理器具を使うようにしましょう。

同様に、コンロを別の熱源に乗せて使用するのもたいへん危険です。たとえば、IH調理器や電気コンロ、魚焼きグリルの排気口など。これらは仮に使用していなくても蓄熱性があるため、ボンベが過熱する原因になります。当然ながらストーブや暖房器具の前など、高温の場所で使用するのも避けてください。

カセットボンベの安全な使い方は?使用期限は7年

次に、カセットボンベの安全な使い方を解説します。最初に頭に入れておきたいのが、ボンベの使用期限が一般的に製造から7年ほどであること。

ボンベの挿入口にはガス漏れ防止のためのリングがついていますが、経年劣化によってひび割れや変形が起こり、爆発などの原因になります。製造年月日は缶の底に表示されているため、製造から7年以上経過している場合はくれぐれも使用を控えてください。

ただし、製造から7年以内のボンベでも、絶対に安全とは限りません。錆や変形、歪みなどが見られたり、キャップが閉じていなかったりする場合は、劣化が進行している可能性があります。

災害などの非常時に向けてボンベを備蓄するなら、古いものから使用していき、空になったら予備を補充する「ローリングストック法」がおすすめ。これにより予備のボンベが古くなるのを防止し、常に安全なものを用意しておくことが可能です。

カセットボンベを処分する方法

また、カセットボンベを処分する際には、必ずガスをすべて抜きましょう。ガスが残ったまま廃棄すると、ゴミ収集車や処理場で爆発などの事故が発生する原因になります。

ガスを抜くときは屋外で風通しがよく、周囲に火の気がない場所を選んでください。LPガスは空気より重いため、屋内でガスを抜くと床付近にたまってしまいます。また、ベランダなどの囲まれた場所も、排出したガスがこもりやすいため推奨できません。

次に、ボンベの先端を下向きにして、コンクリートなどの硬い場所に押しつけながらガスを噴出します。ボンベを振ってシャカシャカとした水音が聞こえなくなれば、ボンベの中身を出し切った合図。ガスが満タンの状態で作業を始めても、5分ほどで空になるでしょう。

なお、ガスが入った状態で容器に穴を開けないようにご注意を。勢いよくガスが噴出するため、自分がガスをかぶってしまったり、その場の環境によっては火災や爆発の原因になったりするリスクもあります。

これからの季節、使用頻度の高くなるカセットコンロ。正しい使い方を守って安全に食事を楽しみましょう。

この記事を書いた人

瀬尾 さちこ

防災士。住宅建築コーディネーター。整理収納コンサルタント。

愛知県東海市のコミュニティエフエム、メディアスエフエムにて防災特別番組「くらしと防災チャンネル(不定期)」、「ほっと一息おひるまメディアス(毎週水曜日12時〜)」を担当。
以前の担当番組:みんなで学ぶ地域防災(2021年~2021年)、防災豆知識(2019年~2021年)
瀬尾 さちこの記事一覧

公式SNSアカウントをフォローして、最新記事をチェックしよう

twitter
facebook

この記事をシェア

B!