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防災キャンプをデザインしよう③ ~ ルール編

考える・決める・動く

子どもたちにとって防災キャンプは楽しい経験になるでしょう。仲間と一緒に日常と違った生活をし、少し難しいと思われる課題にチャレンジして達成感を味わったり、もしかしたら失敗して悔しさを感じたりするのですから。
➁ワークショップ編では話し合いや体験、ものづくりなどを紹介しました。このような体験型の活動では、子どもたちは「思考力・判断力・表現力 ※」を総動員します。簡単に言えば、情報を集めて考え、わからないことは相談してどう行動するかを決め、その決断に納得し(時には納得できなくても納得したふりをしたりしますが)、決めたことを行動に移す力です。
防災キャンプでもそのような悩む場面をたくさん作っておけばいいのです。➀食事編と➁ワークショップ編では、考え、相談する大切さを具体的に紹介しました。それ以外の場面でも同様に、子どもたちが考えて、相談して決断し、行動しなければならないシーンをたくさん用意しておきましょう。


※文部科学省は学習指導要領の中で、子どもたちに育みたい新しい時代に必要となる資質・能力として「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」を3本柱として取り上げている。

トイレは避難所仕様に

災害時の困りごとの一つにトイレがあります。阪神・淡路大震災の時は水道がストップして避難所の水洗トイレが悲惨な状況になりました。避難所となった学校のグラウンド周りの側溝やストップした鉄道の線路にも汚物がいっぱいありました。仮設トイレを満載したトラックがパトカーに先導されて赤信号を突っ切っていくシーンを何度か見たこともあります。汚いトイレを使いたくなくて、食事や水を我慢して体調を崩す人もいました。トイレは人間にとって食事と同じくらい重要な問題です。
防災キャンプでも、トイレでちょっと困ってもらいましょう。学校やキャンプ場にある水洗トイレではボタンを押して水を流すことを禁止します。代わりに、バケツがどこにあるかを教え、プールや川の水は汲めるようにしておきます。あとは、参加者が考えて行動すればいいのです。

ベッドは自分で作る

最近の避難所では、段ボールベッドが導入されるようになりました。床面に比べて埃を吸いにくい、冬でも床面より暖かい、足腰の弱い人はベッドに座ってから立ち上がれるのでありがたいと、良い面がたくさん報告されています。一方で、強度不足で壊れたとか、端っこに座ろうとしたら布団が大きくてはみ出ていたので、滑って腰を打ったとか、課題も報告されています。
また、段ボールベッドはすべての避難所に完備されているわけではありません。今後、都市部で災害が発生すれば、ベッド数を上回る避難者が避難所に駆けつける事態も予想されます。そんな状態になっても少しでも快適に眠れるように、段ボール、新聞紙、毛布、寝袋などを使って就寝スペースを作ってもらいましょう。
まず、避難所の写真を見ながら事前学習をします。大勢が集まる避難所でプライバシーが保てて、かといって孤立せずに周囲の人とのコミュニケーションも取れ、より健康的な睡眠がとれる就寝スペースはどうあるべきかをしっかりと考えてから作業に取り掛かりましょう。

避難者カードと名札

避難すると所定のカードに氏名、住所、家族、健康状態などを記入します。防災キャンプでも、最初にカード記入をし、もうひとつ、名札を作っていつも身に着けておきましょう。名前で呼び合うことで親近感が生まれます。最近では、避難所で支援活動をする若者が「おじいさん」「おばあさん」ではなく、「〇〇さん」と名前で呼ぶことが増えました。とても良い傾向ですね。

大人は助けない

自分が詳しい分野で子どもたちが困っていると、つい助けたくなるのが大人の癖です。普段なら困っている人を助けるのは美徳と考えられますが、防災キャンプではできるだけ助けないようにしましょう。運営側の人は、手出し、口出しをしたくてもぐっと堪えてください。子どもたちが自分たちで解決していくプロセスを見守りましょう。失敗しても、「よし、次はがんばろう」と声をかけて次のチャレンジにつなげてください。

全員が平等にチャレンジ

子どもたちと食事を作っていると、小さな子どもたちが包丁を使って食材を切りたがることがあります。小学校高学年ならある程度安心して任せられますが、幼稚園や低学年の子どもたちだと見ている方がハラハラします。そんな場合でも、小さな子どもたちにトライさせてください。もちろん安全に配慮して、しっかりと見守りながらです。子どもたちはきゅうりを1本切れば、それで満足してくれます。上手だったねと褒めてあげるとニコニコします。挑戦と達成感が大切なのです。
 周囲の人間が、していいことといけないことを決めるのではなく、子どもたちの挑戦する心を優先させてください。くれぐれも、安全には配慮しながらですが。

班行動で考える

ワークショップ等の学び、活動の場だけではなく、食事やそうじ、休憩時間も班行動を原則とします。困りごとがあればいつでも仲間と相談するように促します。大人たちは時にはわざと子どもたちを困りごとに直面させて、悩む様子、解決していくプロセスを見守りましょう。

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この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
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