2019年の台風21号などによる記録的な大雨では、死者のうちの半数が、車が水没したり流される「車中死」によって亡くなったとみられています。
日本自動車連盟(以下JAF)によれば、乗用車が冠水した道路を走行できる深さは、車の床面が水につかない水深10cm程度までで、30cmを超えるとエンジンが止まり、車から脱出する必要が出てくるとしています。さらに50cmを超えるとパワーウィンドーも作動しなくなり、非常に危険な状態だとしています。
大雨では、数十分で急激に水位が上がるため、最初は10cm以下だと思って運転を進めるうちに、30cm、50cmと水深が増し、気が付いたら身動きがとれなくなる可能性があります。
水深10cmでも車の運転は避けるようにし、走行中に道路が冠水してきた場合は、窓を開けて逃げ道を確保しておきましょう。
また、最悪の事態に備え、緊急脱出用ハンマーを車内の手の届くところに常備しておきましょう。
自動車の窓ガラスは安全ガラスと呼ばれるもので、頑丈に加工されているため、そもそも割れにくいという性質があります。車が水没してしまうと水の抵抗もあり、窓ガラスはさらに割れにくくなります。
JAFの検証では、ヘッドレスト・スマートフォン・車のキーなどでは狭い車内で力が入りにくく、窓ガラスを割ることができなかったという結果が出ています。
緊急脱出用のハンマーは数千円から手軽に入手でき、シートベルトを切断する機能がついているものや、夜間の事故に備えてライトがついているものもあります。使う機会が無いに越したことはありませんが、いざというときの為にぜひ備えておきたいところです。
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