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古い灯油は火災の原因に?「不良灯油」の見分け方と正しい保管方法を紹介
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古い灯油は火災の原因に?「不良灯油」の見分け方と正しい保管方法を紹介
公開日: 2020/11/25
これからの寒い季節、暖房器具として石油ストーブや石油ファンヒーターを使用する家庭も多いのではないでしょうか。ですが、その際に忘れてはならないのは火災などのリスク。なかでも注意したいのが、燃料となる灯油です。
古い灯油や汚れた灯油を使用すると、不完全燃焼や異常燃焼を引き起こし、予期せぬ事故へと繋がりかねません。この記事では、安全な状態ではなくなった「不良灯油」の見分け方や、正しい灯油の扱い方について解説します。
もくじ
不良灯油の見分け方
不良灯油が引き起こすトラブル
灯油の安全な取り扱い方は?保管と処分の正しい方法
不良灯油の見分け方
正常な灯油の特徴は、透明な容器に移すと無色透明であること。それに加えて、石油ストーブを使う人にとっては馴染み深い、灯油特有の匂いがします。この状態の灯油であれば、新鮮で不純物も混入していないため、燃料として使用してOKです。
一方で、正常でない灯油は「不良灯油」と呼ばれ、使用を控えなくてはなりません。不良灯油は「変質灯油」と「不純灯油」の2種類に分けられます。
変質灯油の見分け方
変質灯油とは、紫外線や温度によって酸化し、成分が変質した灯油のこと。昨シーズンから持ち越したり、高温の場所や日光の当たる場所で保管したりすると、変質灯油になりやすいと言われています。ほかにも石油ストーブの内部に残った灯油や、専用ではないポリタンクで保管した灯油にも注意が必要です。
変質灯油は透明な容器に移すと、黄色く変色しています。また、酸化による酸っぱい匂いもするため、鼻を近づけて確かめてみるのも有効でしょう。とはいえ、これらの特徴が見られない変質灯油もあるため、灯油を翌シーズンに持ち越さず、日頃から正しく保管することが大切です。
不純灯油の見分け方
それに対して不純灯油とは、水や油、ゴミなどの不純物が混入した灯油のこと。ポリタンクの蓋の閉め忘れによる異物の混入や、気温の変化によって内部に生じる結露などが原因になります。油を入れていた容器に灯油を保管するのも控えてください。
水が混入した不純灯油は、透明な容器に移すと分離して水が底に溜まるため、簡単に見分けられます。逆に油が混入している灯油は、分離もなく見分けるのは困難。こちらも日頃から正しく保管し、不純物の混入を防ぐことが重要と言えるでしょう。
不良灯油が引き起こすトラブル
では、不良灯油はどういったトラブルを引き起こすのでしょうか。石油ストーブや石油ファンヒーターを使用する場合のよくあるトラブルは以下の通り。
点火時に火が点かない
点火時に白煙や火花が発生する
燃焼中に煤が発生する
燃焼中に異臭や異音が発生する
白煙や異臭によって目、喉、頭などに痛みを感じる
停止ボタンを押しても消火できない
燃焼していても勝手に消火されてしまう
暖房器具本体が故障してしまう
原因はトラブルごとに異なりますが、代表的なのは変質灯油によって石油ストーブの芯が劣化してしまうケース。酸化した灯油がタールとなって芯に付着すると、芯の先端や編み込み部分は硬く太ったような状態になり、灯油もうまく浸透しません。こうして芯や燃焼筒が正常に使用できなくなり、点火・燃焼・消火の問題へと発展します。
もちろん、トラブルの火種になるのは不純灯油も同様です。たとえば、石油ファンヒーターに水が混入すると、気化器に錆が発生し、故障の原因になる可能性も。
正常に動作しない石油ストーブや石油ファンヒーターは、いつ火災の発生源になってもおかしくない状態です。このような状態にならないように、不良灯油を使うことは絶対に避けないといけません。
灯油の安全な取り扱い方は?保管と処分の正しい方法
また、こうしたトラブルを防ぐためには、そもそも灯油を“不良灯油化”させないことも重要です。保管と処分の正しい方法を紹介します。
灯油を保管する際には、原則として日光や高温、雨水、火気、ゴミなどのある場所は避けましょう。ポリタンクは紫外線を通さないように、色のついた灯油用タイプを選択し、乳白色の水用タイプは控えます。ドラム缶での保管も、栓の隙間から水が入ったり、錆の原因になったりするため推奨できません。
もちろん、灯油は翌シーズンに持ち越さず、新鮮なものを使用するのも重要なポイント。灯油の変質を防ぐカバーをポリタンクに被せておけば、より安全な状態を維持しやすくなります。ホームタンクを使う場合は、年に数回の水抜きも忘れずに。
古い灯油を処分する際には、排水溝に流すのは絶対にNG。下水道に灯油が流れると、水道管の爆発事故や下水処理場の損傷に繋がりかねません。さらには近隣の住宅の排水溝から灯油の匂いが上がり、悪臭被害を引き起こしたり、下水道の清掃が必要になって、道路封鎖による作業が発生したりするケースも。これらの修復費用は下水道法18条や河川法67条に基づき、原因者が負担することになります。
灯油を処分したい場合は、灯油を購入した販売店やガソリンスタンドなどに相談しましょう。有料の場合もあるので、いきなり持ち込むのではなく事前に相談するのが無難です。ほとんどの自治体でゴミとして捨てることはできないためご注意を。
寒さ対策として欠かせない、石油ストーブや石油ファンヒーターの燃料となる灯油。正しい方法で使用して、安全に冬場を乗り越えましょう。
この記事を書いた人
moshimo ストック 編集部
防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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