直下型地震は陸地の下が震源地となるため震度が大きくなり、建物の倒壊や家具の転倒によって命にかかわるけがをする可能性が高くなります。また、前触れとなる小さなゆれが無く突然大きなゆれがおこるため、身を守る時間がほとんどないことも被害を大きくします。
1995年 阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)
兵庫県淡路島北部の深さ16kmを震源としてマグニチュード7.3の地震が発生、淡路島北部と神戸を中心として震度7のゆれとなりました。なお、震度7を超える地震は、日本の観測史上初めての地震となっています。
死者6,434名、負傷者43,792名と未曽有の被害を起こし、住宅全壊104,906棟、住宅半壊144,274棟と多くの建物が被害を受けたことから、死因の約7割が圧死・窒息死とされています。このような被害状況をうけて、阪神・淡路大震災で倒壊した建物の調査によってあがった課題が2000年に改訂された耐震基準に盛り込まれました。
阪神・淡路大震災 住家被害と延焼被害(出展:財団法人消防科学総合センター 災害写真データベース)
2004年 新潟県中越地震
新潟県中越地方の深さ13kmを震源としてマグニチュード6.8の地震が発生、震度7が観測され、その後40分の間に震度6強の余震が立て続けに2回起きています。
この3回の地震によって、住宅全壊3,175棟、住宅半壊13,810棟となり、電気、ガス、水道などのライフライン停止し、道路にも大きな被害が出たことから山の中の集落が孤立しました。
高齢者が多い地域であったこともあり、避難先のエコノミークラス症候群や被災後のストレスによる死因が多くなり大きな課題となりました。死者68名、負傷者4,805名の被害となっています。
新潟県中越地震 長岡市妙見の土砂災害(出展:財団法人消防科学総合センター 災害写真データベース)
2016年 熊本地震
熊本県熊本地方の深さ11kmでマグニチュード6.5の前震が発生、その約28時間後にマグニチュード7.3の本震が発生しています。この2つの地震はいずれも震度7が観測される大きな地震となりました。その後2日の間に震度6弱を超える地震が5回発生し、大きな余震の続く災害となりました。死者273名、負傷者2,809名、住宅全壊8,667棟、住宅半壊34,719棟となる被害となっています。
熊本地震 住家被害(出展:財団法人消防科学総合センター 災害写真データベース)
2018年 北海道胆振東部地震
北海道胆振(いぶり)地方中東部、深さ37kmでマグニチュード6.7の地震が発生、北海道では初めて震度7を観測しました。
死者43名、負傷者782名、住宅全壊469棟、住宅半壊1,660棟の被害となったほか、北海道最大の発電所「苫東厚真(とうまつあつま)火力発電所」が停止したことから、北海道の全域が約半日の停電、その後も広い地域で2日間の停電が起こりました。
一般的なイメージとして直下型地震が起きにくいと思われていた北海道ですが、北海道胆振東部地震では震度7の地震となり、石狩地方、十勝地方、渡島・檜山地方、宗谷地方、根室地方などに活断層が多くあるため注意が必要です。
北海道胆振東部地震 道路被害(出展:財団法人消防科学総合センター 災害写真データベース)