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大都市災害の盲点。帰宅困難者がすぐに帰宅を開始してはいけないワケ

東日本大震災では1都4県で帰宅困難者は515万人にのぼりました。首都直下型地震が起これば、最大で800万人の帰宅困難者が出ると言われています。大規模な災害が発生すると、派生して起こりやすい二次災害ですが、特に人口密集地では「群衆雪崩」という事故の発生も不安視されています。大都市の災害ではどのようなことが起こるのか、確認してみましょう。

首都圏で大規模な地震が起こったら

首都圏で震度6強の揺れが発生すると、多くの建物が倒壊し、窓ガラスは割れて道路に飛び散ります。倒れた建物は道路をふさぎ、さらに道路や橋に段差ができたり、規制によって通行できなくなることも考えられます。 いたるところで火災が発生し、特に木造の建物が多い地域では、大規模な火災に発展します。

鉄道は、線路や鉄橋に段差ができたり、安全確認に時間がかかるなどの理由で、相当な期間動かなくなることが想定できます。

停電で電気が使えなくなり、都市ガスの供給も停止。水道も断水が起こり、復旧までに時間がかかります。

このような大規模災害が発生した場合は、安全な場所に避難して、その場にとどまり、むやみに移動をしないことが望ましいとされています。道路では、余震で看板が落下してきたり、もろくなった電柱が倒壊したり、火災が発生するなどのニ次災害 に巻き込まれる可能性があるからです。

また、大地震から3日間程度は救助や救急活動のため、消防車や救急車など緊急車両がひっきりなしに行き来します。人口が密集した都心部では帰宅困難者がむやみに移動を開始して、車道にまで人があふれてしまうと、消防車や救急車などが通れず、助けられる命を救えなくなってしまう可能性があるのです。

帰宅困難者の群衆雪崩が危ない

さらに恐ろしいのは、歩道に人があふれて歩きにくくなったり、駅周辺が大混雑して起こる「群衆雪崩」という集団転倒です。群衆雪崩は多くの人が1つの場所に集まって身動きがとれなくなり、人が折り重なりながら転倒する状態のことです。

2001年に兵庫県明石市では、花火大会の見物客が歩道橋で転倒したことによって起きた群衆雪崩で、死者11名、重軽傷者247名にも及ぶ被害が出ました。
このような群衆雪崩による事故は、首都直下型地震のような人口密集地での災害時にも起こりうると考えられています。

首都圏直下型地震が発生し、人が一斉に動き出すと、丸の内や渋谷、新宿などにある狭い路地や交差点では満員電車並みの混雑となり、ほぼ身動きがとれない状況になるとされています。
密集により足元は見えづらく、地震で道路に亀裂や段差ができていると、つまづきやすく、一人が転倒すると、周りにいる人たちが連鎖して倒れ、群衆雪崩という二次災害が起こってしまうのです。

大地震が起きた時はどうすればいいの?

情報収集

発災後、まずは安全な場所に避難し、正確な情報の入手に努めましょう。すぐに帰宅を開始しようと、やみくもに駅へ向かうのは危険です。駅周辺は、公共交通機関が停止し、人があふれて大混雑することが予想されます。混乱や群衆雪崩を避けるために近づかないようにしましょう。

安否確認

ご家族や身近な方の安否確認が取れないため、焦ってすぐに帰宅をしようとする方もいるかもしれません。災害時は電話は繋がりにくくなります。あらかじめ災害伝言ダイヤルやSNSの使用など、電話以外に複数の連絡手段を用意しておきましょう。

災害伝言ダイヤルについてはこちらの記事もチェックしてみてください



安全な場所に一時避難

大災害発生から3日程度は混乱した状態が続きます。まずは職場や学校など安全な場所にとどまりましょう。一部の集会場や庁舎、オフィスビル、ホテルなどで帰宅が可能になるまで 、帰宅困難者を一時的に受け入れる一時滞在施設などが開設されることもあります。

安全な場所にとどまりながら、帰り道についての情報収集を行い、安全に帰ることが確認できて から帰宅を開始します。鉄道以外にもタクシーやバスには乗れない可能性が高く、大災害時の帰宅の基本は徒歩になります。

災害時帰宅支援ステーションの活用

公共施設やファミリーレストラン、コンビニ、ガソリンスタンドなどでは、水道水やトイレ、災害情報、休憩場所を提供しています。対象店舗には目印に災害時帰宅支援ステーションのステッカーが貼ってあります。災害時帰宅支援ステーションの開設期間は発災後、主に72時間後から、一時滞在施設で待機した人がおおむね帰宅するまでの期間としています。しっかりと安全な場所にとどまってから、帰宅を開始し、帰宅途中も無理はせず、ときどき休憩するようにしましょう。

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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