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日本は世界有数の地震大国。なぜ地震が多い?1年におきる回数は?

たびたび、ニュースで大きな地震がおきているの目にしたり、自分の住んでいる地域で頻繁にゆれを感じたりすることも多いかと思います。
実際に日本は世界有数の地震大国で、地震がほとんどおきない国からきた人が地震にあうと、何がおきたのかがわからずパニックとなってしまうことも多いようです。
そもそも、日本はなぜ地震が多いのか、1年間にどれくらいの地震がおきているのか、地震の基本について知っておきましょう。

どれくらいの地震がおきている?

世界でおきるマグニチュード6以上の地震の約20%は日本でおきています。地球上で日本の国土が占める面積は約0.25%とされていますので、地震のおきる確率がけた違いに多いことがわかります。

気象庁の地震・火山月報(防災編)で発表されている2020~2024年のデータを集計すると、日本で1年間におきる地震の回数は、屋内にいる人のほとんどがゆれを感じる震度3以上で平均247回となり、3日に2回は日本のどこかで震度3以上の地震がおきていることとなります。なお、室内で静かにしている中でわずかにゆれを感じる人がいる、震度1以上の地震の平均は年間2,401回となりますので、小さなものを含めると1日に約6.6回もの地震がおきています。
また、大きな地震がおきた後には、小さな余震が長期間続くため地震の回数が多くなります。2024年の1月に震度7となる能登半島地震がおきていますが、この年の震度1以上の地震は3,678回、その他の2020~2023年の平均は2,082回となりますので、約1.77倍にも増えています。

日本で地震が多い理由

では、なぜこれほど日本は地震が多いのでしょうか?



4つのプレートが重なる複雑な地形

日本は「ユーラシアプレート」「北米プレート」「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」という、4つのプレートが重なる場所にあります。
プレートは硬い岩盤で私たちの住む地表や海底となっていますが、その下のマントルと呼ばれる部分は地球の中心に向かって柔らかくなり、ゆっくりと対流をおこし動いています。このマントルの流れに引っぱられ、プレートは1年に数cmの速さで動いているのですが、海側のプレートが大陸側のプレートを押して圧力がかかることで、プレートにひずみがうまれます。ひずみに耐えきれなくなったプレートは破壊され、この時に生まれるエネルギーが地震のゆれとなるのです。
プレートの破壊が陸地でおきた時には直下型地震となり、震源が陸地の真下となるためゆれが大きく、関東大震災や阪神淡路大震災のように建物の倒壊や家具の転倒による被害が非常に大きくなります。
また、プレートの破壊が海でおきると海溝型地震となり、東日本大震災のように津波の被害が非常に大きくなる傾向にありあります。


2つのプレートの上にある国や地域は多く存在しますが、日本のように4つのプレートの上にある例はほとんどありません。4つのプレートが複雑に影響して互いを押しあっているためひずみが生まれやすく、その結果として地震がおきやすい状況となっているのです。

日本下を網の目のように走る活断層

大陸側のプレートが破壊されて地震がおきた後には、「断層」とよばれる割れ目ができます。過去にできた断層は再び割れて地震をおこしやすくなるのですが、この断層の中で数十万年前(研究者によっては200万年前)から現在の間に活動があり、再びずれる確率の高いものは「活断層」と呼ばれています。
日本には2,000以上の活断層が見つかっており、ユーラシアプレートと北米プレートの境目となるフォッサマグナ(糸魚川―静岡構造線)を中心に無数の活断層があります。

この2,000という数は、今までに見つかっている活断層の数となるため、この他に地面に埋まり地表からは見れないものも多くあります。
地震が少ないというイメージのある北海道や九州にも活断層があり、2016年に熊本地震、2018年に北海道胆振東部地震といった大きな地震がおきていますので、日本全国どこにいても地震がおきると考えて備えることが大切です。


過去の大地震によって変わった日本の防災

日本では何度も大地震がおきていますが、大地震でおきた災害によって日本の防災も新しく見直されています。

耐震基準の改正

1995年におきた阪神・淡路大震災では震度7となり、それまで定められていた建築基準法の耐震基準を満たしていても、倒壊をしてしまう建物が多くありました。そのため、耐震基準を満たしていても倒壊してしまった建物を調査、その結果をもとに2000年に耐震基準が改められました。2016年におきた熊本地震では、2000年の改正後に建てられた建物の倒壊が少なくなっている ことがわかっています。

津波からの避難

東日本大震災では、防波堤を超えて津波が押し寄せ、想定外の被害がおきました。
その反面、過去の地震からの教訓で「津波てんでんこ」と呼ばれる、津波が来たら家族のことも気にせずに、各自てんでんばらばらに一人で避難をするという教えや、避難時には「津波が来るぞ、すぐ避難しろ!」と大声で呼びかけながら避難をするといったことが非常に効果的だったことが分かっています。
想定外の災害には防波堤などのハードだけに頼らず、避難をする人の行動がたくさんの人の命を救うというソフト面の対策が見直されています。

大きな地震の後に、さらに大きな地震がおきる

2016年の熊本地震では、マグニチュード6.5、最大震度7の地震がおきた2日後に、さらに大きなマグニチュード7.3、最大震度7となる地震がおきました。
余震という言葉がありますが、大きな地震がおきた後に「余震に注意してください」という呼びかけをすると、その後に続く地震が小さいものと考えてしまうことが多いため、気象庁では熊本地震をきっかけに「同程度の地震に注意してください」という表現に変えて います。


このように、どこにいても大地震がおきる可能性のある日本ですが、過去の地震の経験から学べることも多くあります。
いつ、どこにいても自分の命を守れるように準備をしておきしましょう。

内閣府 防災情報のページ 災害を受けやすい日本の国土

内閣府 防災情報のページ 特集1 平成28年熊本地震

気象庁 各月の地震活動のまとめ

気象庁 地震発生のしくみ

気象庁 大地震後の地震活動(余震等)について

国土地理院 活断層とは何か?

地震本部 主要活断層帯

活断層データベース 起震断層・活動セグメント検索

日本建築防災協会 新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
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