地震マイ防災マップを作成するときにも、洪水マイ防災マップを作成するときと同じように、複数の避難ルートを考えて歩いてみましょう。
チェックするポイントは、やはり「避難するときに危険な場所」と「安全な場所や、避難途中に役立ちそうな場所・もの」です。
もしも大きな地震が起こったら、街はどうなるのかを、イメージしながら歩きましょう。阪神・淡路大震災や東日本大震災など、過去に発生した大きな地震での被害などを事前に勉強してから街を歩いてみることで、災害時の街をイメージしやすくなるかも知れません。
また、南海トラフ地震や首都直下地震が発生した時には、「緊急交通路」として緊急車両以外の通行ができなくなる道路もあります。警視庁のホームページ(
南海トラフ地震発生時の交通規制計画、
首都直下型地震発生時の交通規制計画)に一覧になっています。多くは高速道路や自動車専用道路ですが、一部、一般国道なども指定されているので、事前に確認しておきましょう。
大きな地震が発生した時に、「避難するときに危険な場所」というのは、例えば、大きな揺れで倒壊しそうな老朽化した家屋がある場所や、ブロック塀、電柱も場合によっては倒壊して危険が及ぶ可能性があります。大きな看板やガラス面積の大きな建物なども、注意が必要です。
狭い道路も、近隣で火災などが発生した時には、逃げ場を失います。
古いため池なども、大きな揺れで堤防本体にヒビが入り、貯められている水が流れ出したり、堤防が崩壊して土砂が流れ出したり、周辺の道路に大きなクラックが入る危険性があります。
避難経路に山などの斜面がある場合には、擁壁にクラックが入っていたり、ふくれたりしていないか、水が変なところから流れ出していないかも、チェックしておきましょう。こうした擁壁は、大きな地震が発生した際には、崩れてくる危険性があります。
その他にも、「危険かも知れない」と感じるところは、チェックしておきましょう。
「安全な場所や、避難途中に役立ちそうな場所・もの」は、例えばコンビニエンストアです。コンビニの多くは、「災害時帰宅困難者支援」の協定を自治体などと結んでいて、トイレを借りたりできるほか、避難時に必要な情報の提供なども受けられます。
公衆電話の場所なども、チェックしておきましょう。特に、災害対応の公衆電話は、コインがなくても使うことができます。
自動販売機も、災害時には飲み物を無料で開放してくれるものがあります。
消防団や防災倉庫なども、緊急時に命を守るための助けになってくれるはずです。
災害時に断水した際、水を配る「災害時給水ステーション」も、マイ防災マップに書き込んでおきましょう。
自宅や職場から避難所(避難場所)まで、災害時のことを想像しながら歩いてみると、危険な場所や、緊急時に役立ちそうな場所など、きっと多くのことに気づくはずです。
できれば、平日と休日、朝・昼・夜など、時間や曜日を変えて、何度か歩いてみましょう。
大人だけでなく、お子さんと一緒に歩いてみることで、さらに多くのことに気づくことができるかも知れません。
平常にでも、避難所(避難場所)にたどり着けるまでにどれくらいの時間がかかるのかを把握しておくことも、災害時にはどのタイミングで避難行動を始めるべきか判断する材料になります。
<参考資料>
国土交通省近畿地方整備局 マイ防災マップ・マイ防災プラン作成の手引き
愛知県土砂災害情報マップ マイ・ハザードマップを作ってみましょう
防災リテラシー研究所 自分で作る防災マップ
地盤工学会 ため池の被災事例から見た減災機能と維持管理
東京水道局 くらしと水道