短時間でも激しい雨が降ると、道路が冠水したり、住宅への浸水被害も考えられます。
「自宅付近には川がないから大丈夫」と思わないようにしましょう。付近に川がなくても、下水に流しきれない水が地上へあふれ出ることがあります。特に都心部では道がコンクリートに覆われ、大雨が降ると地面に水がしみ込まず、下水への排水が追いつかないため浸水や冠水が発生しやすくなります。
(出典: 気象庁)
それでは、浸水・冠水が発生したときにどのような注意をすればよいのでしょうか?
一般的に、住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水をかぶることを「冠水」といいます。そして、浸水をした地面から水面までの高さを「浸水深」といいます。
一般の家屋では、浸水深が50cm未満の場合は床下浸水、50cm以上になると床上浸水となる恐れがあります。
〇 浸水深と浸水程度の目安
・0~50㎝ :床下浸水(大人の膝までつかる)
・50~100㎝ :床上浸水(大人の腰までつかる)
・100~200㎝:1階の軒下まで浸水する
・200~500㎝:2階の軒下まで浸水する
・500㎝以上 :2階の屋根以上が浸水する
水の深さが30~50 ㎝(大人の膝まで)となると移動が難しくなり、何かにつかまらないと移動できなくなったり、水に流される危険が高まります。水位は短い時間で急激に変化するため、水が流れてきたらすぐに、遅くても
「足のくるぶし」まで水が来ていれば避難を行いましょう。
また、車を運転中に道路が冠水してしまった場合は、すぐにエンジンを停止し、車を降りて避難してください。
浸水深が
30~50cmでエンジンが停止、50cm以上で車が浮き、パワーウィンドウ付きの車では車の中に閉じ込められ、車とともに流される非常に危険な状態となります。
〇 避難時の注意点
・床上・床下浸水が起こると、排水溝から水が逆流することもあります。ゴミ袋などに水入れた水のうや土のうを便器の上や排水溝の上に置くことで、逆流を防ぐことができます。
・浸水時の歩行可能な水位の目安は、ひざ下までとなります。しかし、水位は急激に変わりやすく、水位が低くても水の勢いで動けなくなる危険性がありますので、少しでも水が流れてきたら高所へ早急に避難しましょう。
・避難するときは、動きやすい服装で、2人以上で避難を心がけ、水中でも脱げにくく歩きやすい靴にしましょう。長靴は水が入ると動けなくなるため、紐靴がおすすめです。
・お年寄りや小さな子どもがいる家庭では自治体からの避難情報を待たずに、早めに避難や準備を心がけてください。
・冠水している道では足元がどうなっているかよく見えません。歩きなれている道でも、マンホールの蓋が外れてたり、用水路、側溝が見えなくなってしまっているため、足を滑らせたり溝などに落ちてしまう可能性があるため大変危険です。
やむを得ず冠水している道を移動する場合は、傘や杖のような棒を持って足元を確認しながらゆっくりと細心の注意を払って避難しましょう。