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災害時の食料品はどれくらい必要?どう備蓄する?おいしい食事のためにひと工夫

災害時に備えて備蓄をしたいけれど、非常食をたくさん買うとなるとお金が大変!保管スペースにも困ってしまいますね。
そこで、ローリングストック(日常備蓄)という方法を使うと、災害のために特別な非常食を用意せずに、食料や日用品の備蓄ができてしまいます。
また、備蓄品の準備のほかにも、冷蔵庫の中身を有効活用して備蓄する方法も紹介します。

自宅での在宅避難を行う場合には、長期間のライフラインの停止に備える必要もあります。災害時に必要となるものや効率の良い方法を知って、無理のない備蓄を始めてみましょう。

ローリングストックって何?

災害時の食料と言うと、水で戻せるアルファ米やフリーズドライ食品など思い浮かべる人も多いかもしれません。こういった非常食は、避難所に着いたけれど食料がない、災害直後で調理する時間がない時に、簡単に食事をとれるため大変役立ちます。
ただし、すべての食事を非常食でまかなおうとすると、購入のためのお金や保管スペースの問題もあり、あまり現実的では無いと思います。そこで、利用したいのがローリングストックという考え方。

ローリングストックとは
  1. 「普段から使っている」食料品や日用品を「少し多めに買う」
  2. 「古いもの」から「食べる・使う」
  3. 「減った分」を「買い足す」
を繰り返す方法です。

普段使うものを余分に買って備蓄し、消費期限が近づいたものから使い、減った分だけ買い足すこの方法であれば、消費期限の近づいた備蓄品を一度に買い替える必要がありません。また、特別なものを購入せず、普段使うものを買うだけなので、お金の負担が少なく備蓄ができます。

ローリングストックのポイント

食料品は、いつも食べているレトルト食品や缶詰、瓶詰などを購入することがポイント。
食べ慣れたものを用意することで、災害時の食事でも日常を感じることが出来るため、ストレスを軽減できます。また、子どもは食べ慣れない味のものを食べてくれないことも。「災害時においしさを求めるのは贅沢!」と思うかもしれませんが、思っている以上に食事で得られる安心感は大きく、元の生活を取り戻すための活力となります。
また、賞味期限が近づいた食料を消費する時にも、普段食べている好みのものを食べられるため、おすすめです。

災害時に何が必要?備蓄の量ってどのくらい必要?

大きな災害が起きた場合、3日は物流が停止してしまうと考えておきましょう。特に大きな都市では物資を必要とする人が多いため、1週間ほど必要なものが行き渡らないことも考えられます。
そのため、まずは3日分を目標に!可能であれば、少しづつ買い足しながら7日分を備蓄。自宅で在宅避難をすることになっても、食料に困らないようにしていきましょう。

日用品を含めると様々なものが必要となりますが、ここでは食事に必要なものを紹介いたします。

調理器具

  • カセットコンロ
  • ガスボンベ
  • 点火棒ライター
  • ラップ
  • アルミホイル
  • ビニール袋
まずは、電気・ガス・水道のライフラインが止まった場合に備え、カセットコンロを用意しましょう。
また、災害時には特に水が貴重になります。フライパンで料理をするときにはアルミホイルを敷いたり、食材をくるみホイル焼きに。ビニール袋やラップをお皿にくるみ使用すれば、洗い物に使う水を節約できます。
上のリストにはありませんが、食材を切るときにはまな板の代わりに牛乳パックを使ったり、キッチンバサミを使うとまな板を洗わずに料理をすることができます。

飲料

  • 水 一人あたり、1日3L
水は食べ物の水分を含め、1日2Lをとる必要があります。その他、歯磨きや洗浄などのために1人あたり3Lを用意しましょう。

エネルギー源

  • 真空パックのご飯、無洗米、乾麺
  • レトルト食品(カレー・丼もの・パスタソースなど)
  • 即席麺

タンパク質

  • 缶詰(魚や焼き鳥など)
  • チーズ、かまぼこなど

ビタミン・食物繊維

  • 野菜ジュース
  • サプリメント

甘いもの

  • 缶詰(果物)
  • 菓子(チョコレートなど)

その他

  • スポーツ飲料粉末
  • 調味料
食料は、エネルギー源となる炭水化物のほかにも、タンパク質、ビタミンもバランスよく取り、免疫を上げて体調を崩さないように気をつけましょう。
また、缶詰やレトルト食品には食物繊維が少ないため、便秘を起こしてしまうことがあります。野菜ジュースや、中華丼のような野菜の入ったレトルト食品がおすすめです。

また、夏場に停電を起こしてしまうと、エアコンが使えず熱中症となってしまう場合があります。スポーツ飲料の粉末も用意しておきましょう。

もっと詳しく知りたい方のために、食事以外の日用品に必要なものや、「夫婦、乳幼児、高齢者の4人家族」の場合をモデルケースとした備蓄品の量をこちらのページで紹介をしています。


また、炊飯器を使わずにお米を炊く方法をこちらのページで紹介していますので、普段から試して慣れておきましょう。

冷蔵庫の食材を上手に使おう

普段使いのものを使うとはいえ、家族が多かったり、食べざかりの子どもがいると、備蓄品だけで7日間をすごすのは難しいかもしれないですね。でも、冷蔵庫の中身も7日分の食材にカウントして大丈夫です。
家族の人数によりますが、冷蔵庫の中には2、3日分の食材があることが多いかと思いますので、かなり気が楽になるのではないでしょうか?

それでは、停電をしてしまった場合に備えて、冷蔵庫の上手な活用法をご紹介します。

冷蔵庫はなるべく開けないように

冷蔵庫は断熱性が高いため、冷えた食材自体によって庫内の温度を低く保つことができます。しかし、扉を開けると温かい空気が入り庫内の温度が上がってしまうため、停電をしたら冷蔵庫の扉はできるだけ開けないようにしましょう。

まず始めに、“冷蔵庫”内の傷みやすい食材から使用し、“冷凍庫”はなるべく開けないこと。
季節や保存されている量にもよりますが、冷凍庫を全く開けなければ24時間はあまり温度が上がりません。その後も、2-3日ほどかけて徐々に解凍されていきますので、まずは冷蔵庫の食材を先に使い、冷凍庫の温度をなるべく長い間、保てるようにしていきましょう。

凍った食材で冷蔵庫を冷やす

冷凍庫の食材を使う場合には、冷凍されたものを冷蔵庫の上段に移動し、冷やしたいものを下段に移動すると、冷たい空気が下に流れ、下にあるものを冷やしてくれます。このとき、冷蔵庫に凍ったものを入れると結露して水滴が落ちることがありますので、凍ったものの下に新聞紙や布などを敷いておきましょう。
また、冷凍庫の霜が溶けるため、水受けトレイにも水が溜まりやすくなります。こちらにも雑巾などを敷いておきましょう。

冷凍庫で食材をストックしよう

普段からしておく対策として、扉の開け締めを最小限にするため、冷凍庫内のどこに何があるか整理をしておくこと。野菜を入れる場所、お肉を入れる場所などを決め、区分けをしておくことで取り出しやすくなります。
また、減った食材がわかりやすく補充もしやすくなりますので、常に冷凍庫の中に食材をストックできますね。

乾物・ドライフルーツで不足しがちな栄養素をとろう

米・麺類、レトルト食品、缶詰が食事の中心となると、どうしてもタンパク質や食物繊維が不足してしまいます。
そこでおすすめしたいのが乾物。不足しがちな栄養素を補い、常温で長期保存ができて、かさばらない。災害時に良いところづくめの食材です。

ローリングストックにおすすめの乾物
高野豆腐、いり大豆、煮干し、干し野菜(切り干し大根など)、キノコ、海藻類、ドライフルーツ、ナッツなど

高野豆腐やお麩はタンパク質を多く含みます。高野豆腐は汁物に、お麩は水で戻した後に甘辛いタレで卵とじにするとカツ丼もどきになります。

切り干し大根などの野菜や、しいたけ、きくらげなどのきのこは、不溶性食物繊維が多く腸を直接刺激します。
わかめや昆布などの海藻類には、水溶性食滅繊維が含まれ、腸の有益菌を増やしてお腹の調子を整えてくれます。

料理をしないひとはおやつでストック

普段、あまり料理をされない方には、プルーンやいちじくなどのドライフルーツがおすすめ。フルーツには不溶性・水溶性両方の食物繊維が含まれているため、おやつとして常備してはいかがでしょう?

豆は栄養豊富な優秀食材

もう一つ、タンパク質と食物繊維をかね備え、エレルギー減としても優秀な乾物に豆があります。ただし、豆は火にかける時間が長いのが、ガスが止まってしまった時の難点。しかし、スープなどを保温したまま持ち運べる“スープジャー”を使うと、少ないガスの量で豆を調理することができます。

まずは、豆を一晩水に漬けて戻します。その後、豆を火にかけ、沸騰してから3分ほど煮てからスープジャーに入れ、4時間保温するとできあがり。
大豆やひよこ豆など小さめの豆は柔らかくなり、キドニービーンズなどの大きめの豆は硬めに仕上がります。
4時間以上は温度が下がりそれ以上は火が入らないため、大きめの豆はサラダなどでコリコリとした食感を楽しむか、スープなどに加えてさらに調理をしましょう。

ポリ袋調理(パッククッキング)

災害時に電気やガス、水道が使えなくなったとき、「ポリ袋」「カセットコンロ」「鍋」を使用し簡単に非常食を作るポリ袋調理(パッククッキング)という調理方法があります。
食材と調味料を入れたポリ袋の口をしばり、お湯を張った鍋の中で加熱することで、洗い物を出さずに湯せん調理をすることができます。また、1つの鍋の中で、複数のポリ袋を入れて同時に加熱することで、1つのガス口で複数の料理ができることもメリットです。

肉や野菜にブイヨンキューブやルーを入れたスープやカレーの他にも、卵と調味料を入れてスクランブルエッグを作ったり、お米を炊くこともできます。

お米を炊く場合には、白米100ccに対して水110~120ccを入れ、30分程度湯煎にかけるだけ。
ポリ袋の口を縛る場合には、加熱中に袋が膨らんでも余裕ができるよう、なるべく空気を抜き、ポリ袋の上の方で口を縛るようにしましょう。

ポリ袋調理の注意点

ポリ袋調理をするときの注意点として、鍋の底に直接ポリ袋があたると袋が溶けてしまうことがあるので、鍋の中にお皿をいれておくようにしましょう。
また、ジッパー付きの袋や、透明なビニール袋は耐熱温度が低くなっています。半透明でカサカサしたビニール袋は「高密度ポリエチレン」といった素材で耐熱性が高いのでこちらを使うようにしましょう。
スーパーのレジにある、ロールのポリ袋は「高密度ポリエチレン」で作られていることが多いのですが、薄く裂けやすいため、できれば湯せん調理ができると明記された、厚手のものを用意しておくとよいでしょう。

また、厚手のポリ袋があれば、食材を入れて和えたり、潰したりすることで、洗い物を増やさず料理をすることができます。

岩谷マテリアル アイラップ

ワタナベ工業 食品用ポリ袋

こちらの商品は、湯せんをするためにつくられているためおすすめです。

特別な保存食に頼らず、工夫をして7日分の備蓄を目指しましょう

非常食だけで備蓄をすると考えると大変ですが、日常で使うものをうまく利用をすると7日間の備蓄も目指せるのではないでしょうか?
また、電気、ガス、水道などのライフラインが長期間止まっても問題ないように、今回紹介したテクニックを使い工夫して避難生活を送ることも大切です。
そのためには、日頃から炊飯ジャーを使わずにお米を炊いてみたり、ポリ袋調理をして料理をするなど、色々なことを試しておくことも必要となります。災害時に慌てないよう、日頃からの準備を大切にしましょう。

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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