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非常用持ち出し袋の中身&重さは?必要となる理由も知っておこう

地震や台風などの災害がおきて避難をすることになった場合、避難所についてしばらくは水や食料、寝具などの用意がないことが多くあります。そのため非常用持ち出し袋(防災リュック)を用意して、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
今回は避難時に必要となるものと、中身をつめるときのポイントをご紹介します。

すでに非常用持ち出し袋を用意している方も、中身の使いかたを詳しく知って、不足しているものが無いか確認をしてはいかがでしょうか?

非常用持ち出し袋はどんなときに使う?

非常用持ち出し袋は、自宅を離れて避難所で過ごすときに持ち出し、救援物資が無くても過ごせるように準備しておくものです。
ニュースなどの映像で、避難所での配給の様子を目にすることがあるかもしれませんが、避難所から離れたところに備蓄品をおいていることも多く、災害が起きた当日~翌日は食料だけでなく飲料水も届かないと考えておきましょう。
また、電気やガスなどが止まってしまうと暖房が使用できないこともあります。暖房の無い室内で床に直接寝ることも考えて、しっかりとした防寒対策も必要となります。

特に大きな都市で大地震がおきた場合には、被災する人も多くなることから、すぐに物資が行きわたらないことも考えられます。内閣府による首都直下地震がおきたときの計画では、災害があってから4~7日後に必要な物資を輸送するとされています。
そのため、少なくとも3日、できれば7日は自力で生活できるようにしておく必要があります。しかし、一度に7日分のものを持ち出すことは難しいため、非常用持ち出し袋には貴重品と最低2日の生活で必要となるものを入れ、残りは避難所から家に戻って持ち出せるようにまとめておきましょう。

自宅に戻り持ち出すための備蓄品は、こちらで紹介をしています。

いつも外出時に持ち歩く、防災ポーチ

外出時に災害にあってもよいよう、小さな防災ポーチをつくって持ち歩き、避難所にいくときには非常用持ち出し袋と一緒にもっていくようにしましょう。
急な災害にあわてて防災ポーチを忘れないように、非常用持ち出し袋に同じものを入れておくのもよいでしょう。

防災ポーチの中身の使いかたは、こちらで詳しく紹介していますので参考にしてみてください。


防災ポーチの中身リスト

  • ビニール袋
  • 手ぬぐい、大きなハンカチ
  • 歯磨きセット
  • ウエットティッシュ
  • 絆創膏
  • 携帯トイレ
  • 水(500ml)
  • 飴、チョコレート、エナジーバー
  • スマートフォン充電器
  • モバイルバッテリー
  • LEDライト
  • 防災用ホイッスル
  • エマージェンシーブランケット(ビニールにアルミ箔を貼った、防寒シート)
  • ボールペン、サインペン(いずれも油性)、メモ帳
  • 小銭
  • 災害・避難カード(氏名、住所、緊急連絡先、血液型、緊急連絡先、避難所を記載)
  • 家族の連絡先、写真

人によって用意が必要なもの

  • 常備薬
  • 眼鏡
  • おくすり手帳
  • 生理用品
  • 使い捨てコンタクトレンズ
  • 抱っこ紐
  • 液体ミルク
など

非常用持ち出し袋(防災リュック)の中身リスト

避難所に向かうときに持ち出すもののリストとなります。一部、防災ポーチと同じものが入っていますが、最低2日間は過ごせるように量をプラスして用意しておきましょう。

飲料・食料

  • 水(1人あたり2~4リットル)
  • 食料品(アルファ米、缶詰、レトルト食品など、調理せず食べられるもの。2日分)
  • 飴、おかし
  • 箸、フォーク、スプーン(使い捨てのもの)
  • プラスチックのコップ
  • ライター
水は避難所に用意されていると考えずに、自分で準備することが必要となります。
水は持ち物の中でも重く避難の妨げになってしまいます。そのため、給水車がきたり、家に備蓄品をとりに戻ったりできるまでの間、命を守れる最低限の量にする必要があります。
1人あたり2リットルを基準として、余裕があれば4リットルとするなど、自分で持ち運べる重さを考えながらを用意します。
歯磨きや洗顔、体をふくなどの衛生のため、水の量を減らした分は除菌ティッシュなどで補うようにしましょう。

避難所では火をつかえない場所が多くありますので、火を使った調理をせずに食べられるものを持って行きましょう。なお、カップラーメンは水でも30分(うどんなど麺の太いものは60分)ほど戻すと食べることが出来ます。ただし、豚骨ラーメンなど油の多いものは避けた方がよいようです。
また、被災直後は箸やスプーン、フォークなども用意がありませんので、使い捨てのものを持っていきましょう。

おかしはストレス軽減となるほか、飴はのどを乾燥から守るため、かぜなどの感染症を防ぐことができます。

衛生品

  • 手ぬぐい、大きなハンカチ
  • タオル
  • ティッシュペーパー
  • トイレットペーパー
  • 除菌ウェットティッシュ
  • 除菌ジェル・スプレー
  • 救急セット
  • 簡易トイレ
手ぬぐい、大きなハンカチは、かさばらず、乾きやすく、マスクのかわりにも使用できるほか、ギュッときつく縛れるためいろいろな用途に使えます。
また、断水していて気軽に手を洗えないこともありますので、除菌ウエットティッシュや除菌ジェル・スプレーなどがあると手の消毒ができ、感染症の予防となります。

衣類・防寒具

  • 雨具(レインウエア・雨ガッパなど)
  • 衣類(下着ふくむ)
  • 使い捨てカイロ
  • レジャーシートやブルーシート
  • エア枕やクッション
  • 軍手
避難をする時にはレインウエアや雨ガッパなど両手がふさがれず、動きやすい雨具を用意しましょう。レインウエアや雨ガッパは室内にいる時に着ると、風邪を通さず保温性が高いため防寒具としても使えます。
また、避難所まで道が崩れていることもあります。ガレキをどかしたり、両手をついて避難することもありますので軍手も用意しておきましょう。

避難所についてすぐは寝具などが無いことも多く、床に直接寝ることとなります。レジャーシートやブルーシートをひくと断熱効果があり、ほこりを防ぐこともできます。
また、空気でふくらませる非常用のエアーマットがあると断熱効果が高く、よりよいでしょう。

日用品・その他

  • ビニール袋
  • 45Lゴミ袋
  • 乾電池
  • 現金・小銭
  • 携帯ラジオ
  • 通帳の口座番号、加入している生命・医療・火災・地震保険などの証書のコピー
  • ウエストポーチ
ビニール袋やゴミ袋はいろいろな場面で役に立ち、かさばるものでもないため多めに持っていきましょう。
災害時は店舗や自販機でおつりが足りなくなるため、現金は千円札や小銭を多めに用意しましょう。なお、災害時に電話が混雑したときには、一般の電話よりも公衆電話が優先されつながりやすくなります。

また、大きな災害時は、口座番号と身分証明書で銀行から10万円まで、ゆうちょ銀行の場合には20万円までお金を引き出す特別措置があります。なお、顔写真付きの身分証のほうが、確認が早くスムーズに引き出すことができます。
そのほか、加入している保険の会社名、保険商品名、証券番号がわかるよう、銀行口座と一緒に保険証書のコピーを備えておくと、保険証書が水で流されたり、紛失してしまった場合にも対応をしてもらえます。

避難所には不特定多数の人がいるため盗難が発生することがあります。貴重品を肌身離さず持ち歩けるよう、ウエストポーチのような体に密着する携帯バックがあるとよいでしょう。

まとめておいて一緒に持ち出すもの

  • 印鑑(認印で可)
  • 身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート)
  • 健康保険証
  • 年金手帳
  • キャッシュカード
印鑑や身分を証明するものは1か所にまとめておき、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。

災害時には空き巣が多くなるとともに、避難所での盗難もおきるため、貴重品を家に残すか避難所に持っていくかどうかは難しいところです。
銀行の貸金庫なども利用して家に残す貴重品は最小限にしておき、避難所ではウエストポーチなどにいれて、24時間肌身離さず持っていることも一つの方法です。
こちらの記事で災害時の盗難について紹介していますので、参考にしてみてください。



人によって用意が必要なもの

  • 生理用品
  • 予備の眼鏡、コンタクトレンズ
  • 常備薬
  • 粉ミルク/離乳食
  • 哺乳瓶
  • おむつ/お尻ふき
  • 母子健康手帳
  • 入れ歯
  • 補聴器
など

持病がある場合や小さい子供がいるなど、人によって必要なものは異なります。
自分の必要なものが他にないか、いつもの生活で必要となるものを確認してみてください。

非常用持ち出し袋のつくりかた

重さ

水や食料品をできるだけたくさん持っていきたいところですが、重すぎたり、大きすぎたりして、避難しにくくならないように気をつけましょう。大人の男性で15kg、女性で10kg、小学生の子どもなら3~4kgを目安として、実際に持ち運んでみることが大切です。
また、津波の危険のある地域ではいち早い避難が必要となりますので、走れるくらいの重さにしておきましょう。
重すぎる場合には、一部は家に保管するようにして、災害が落ち着いた2~3日後にとりにくるようにするとよいでしょう。

避難所までの道が塞がれていることも考えられますので、バッグは両手が塞がらないようリュックサックを用意しましょう。
小さな子どもを背負って避難をする場合には、荷物が多く必要なものを運べないかもしれません。転がしながら運べるキャリーカートで背負えるものがありますので、カートで通れない道だけ背負って移動するなど工夫をしてみてください。

防水対策

また、中身が濡れないようにすることも大切です。リュックサックはなるべく防水機能のあるものを。念のため、濡れて困るものはジップロックのようなジッパー付きのビニール袋にいれましょう。
防水機能の無いバッグの場合は、リュックサックの中に2重にゴミ袋を重ねてから物を入れると濡らすことがありません。

ものをつめる順番

雨具や軍手など避難中に使うものは、すぐ取りだせるよう上の方につめましょう。
また、衣類など軽いものを下に、水など重いものを上につめていきます。重いものを肩の近くにもってくると、重心がとりやすく重さを感じにくくなります。同じ理由から、リュックサックの肩紐もなるべく短く縮めて、リュックサックが下がらないようにしましょう。

非常用持ち出し袋の置き場所

マンションなどの倒壊しにくい建物であれば、就寝中に被災しても取り出しやすい寝室や、家を出るときに持ち出しやすい玄関がおすすめです。
木造の一軒家の場合、大地震が起きて倒壊するときに1階がつぶされ、2階が残ることが多くあります。そのため、非常用持ち出し袋や備蓄品は2階に保管し、長い時間すごす寝室も2階にしておくとより安全です。
マンション、一軒家ともに、地震で建物がゆがんで扉が開かなくなることもあるため、押し入れやクローゼットの外、または、なるべく開きやすい(破りやすい)扉の中に入れておくことをおすすめします。

車をお持ちの場合は、状況によっては車で避難したり、車中泊をすることも想定できます。家の中に非常用持ち出し袋を用意した上で、車の中には毛布や防寒具などかさばるものや、腐りにくい食料品、水などを保管しておくのもおすすめです。

避難時に安全に逃げるため、あるとより良いもの

非常用持ち出し袋の近くには安全に避難するためのものおいておきましょう。
  • ヘルメット/防災頭巾
  • ひも靴
  • 家族をつなぐためのロープ
  • 1m程度の棒または傘
台風や大雨の場合、浸水が起きる前に避難を始めましょう。
浸水前でも台風や大雨のときに長靴での避難はNGです。避難経路の途中に浸水しいている場所があった場合、長靴に水が入るとうまく歩くことができず、水の重みで脱げてしまいます、水害の場合にはひも靴で避難を行いましょう。
また、避難するときにロープで家族をつないでおくと、水に足を取られて流されたときに助けることができます。そのほか、浸水した道は底が見えず、側溝や、ふたの空いたマンホールに落ちてしまうことがあり、とくに夜間は危険性が高まります。棒や傘があれば地面を探りながら移動するようにしましょう。


災害時は気が動転してしまうもの、迷わず必要なものを持ち出せるよう、非常用持ち出し袋を準備しておきましょう。また、人によって必要となるものは異なりますので、自分に必要となるものが無いかチェックしてみてください。
避難所がどのようなところか、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。


この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
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