局地的大雨では1時間当たり数十mmの雨を降らせますが、具体的にはどれくらいの強さの雨が降るのでしょうか。
気象庁の1時間あたりの雨量の目安では
- 10~20mm やや強い雨
ザーザーと降る、地面一面に水たまりができる
- 20~30mm 強い雨
土砂降り、傘をさしていても濡れる
- 30~50mm 激しい雨
バケツをひっくり返したような雨、道路が川のようになる
- 50~80mm 非常に激しい雨
滝の様に降る(ゴーゴーと降り続く)、傘は全く役にたたなくなる
- 80mm以上 猛烈な雨
息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる
とされています。
車の運転に注意
車の運転ではワイパーを早くしても見えづらくなり、1時間あたり30~50mmの雨で高速走行にブレーキが効かなくなるとされています。
また、急にこのような雨が降ると、雨水が下水に流れ切らず道路に水があふれ出します。アンダーパスと呼ばれる地下を通る道に水がたまり、気づかずに進んでしまうと車が水没してしまうこともありますので、十分に注意をして運転するようにしましょう。
車が水没してしまうと水の圧力でドアが開かなくなり、車内に閉じ込められてしまうことがあります。車が水没してしまった場合には、すぐにシートベルトを外し、窓を開けて水の中から脱出しましょう。万が一のために窓ガラスを割る緊急脱出ハンマーを用意しておくと安心です。
特に都市部では地表がコンクリートに覆われているため、雨水が地面に吸収されずに道路にあふれ出しやすくなっていますので十分な注意が必要です。
川や用水路には近づかない
急激に降った大量の雨水は一気に川や水路へ流れ込みます。
川の水位はあっという間に上昇するため、中州に取り残されたり、川遊び中に流されたりする事故につながります。また、登山者が渓流に流されることもあります。
積乱雲が近づくサインを感じたら、すぐに川や用水路から離れるようにしましょう。
大雨が長引く場合はさらに警戒を
大雨がすぐに終わらずに長時間続けば、さらに多くの被害がおきることになります。道路に水があふれ出し洪水となり、地下鉄や地下街、家屋への浸水、さらにはがけ崩れや土石流といった土砂災害を引き起こします。
予測される雨雲の動きは、気象庁の
ナウキャストで確認できますので、その後の雨に注意して、必要な場合にはすぐに避難するようにしましょう。
また、気象庁の
キキクルでも予想される災害の危険度を確認できますので、こちらもあわせて確認しておきましょう。
また、避難に備えて、事前にハザードマップで危険な場所を調べておき、避難所までの道を歩いてアンダーパスや川沿いなど危険な場所を避けた道を調べておくようにしましょう。
全国の1時間あたりの降水量の記録をみると激しい雨は年々増加しており、2015~2024年と1976~1985年の10年間を比べると50mm以上の雨は約1.5倍に、同じ期間での80mm以上の雨は1.7倍に増加しています。
「少しくらいの雨だったら大丈夫」と油断せず、積乱雲が近づくサインを見逃さないこと。そして、危険な場所からはすぐに離れること。日ごろからの正しい知識と備えを心がけましょう。
参考資料
気象庁 局地的大雨から身を守るために
気象庁 天気予報等で用いる用語 降水
国土交通省 集中豪雨・局地的大雨(ゲリラ豪雨)はなぜ発生するのか
国土交通省 局地的な大雨に関する気象予測の現状
気象庁 予報が難しい現象について (線状降水帯による大雨)
気象庁 急な大雨や雷・竜巻から身を守るために ~積乱雲が近づくサインを見逃さない~
気象庁 雨の強さと降り方
気象庁 大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化