断層
直下型地震をおこす断層は、大陸プレートに無数に入った小さな割れ目と説明をしましたが、実際にはどのようなメカニズムで地震をおこすのでしょうか?断層について、もう少し詳しく見ていきましょう。
海洋プレートは大陸プレートに向かって、1年間に数cm~10cm程度のスピードで移動しながら大陸プレートの下に沈み込んでいきます。このとき、大陸プレートは少しずつ押され圧縮されることでプレートに力が蓄積していきます。この力に耐えきれなくなったとき、大陸プレートの弱い部分がずれて動き、その時の衝撃が地震となります。そして、ずれた跡としてプレートに残った割れ目が断層となります。
地震によって地表に現れた断層
活断層
地球が出来てから今までにプレートにはたくさんの断層が生まれていますが、この中で数十万年前(研究者によっては200万年前)から現在の間に活動があり、再びずれる確率の高いものを「活断層」と呼んでいます。
また、1,000年あたりどれくらいの距離を動いたかを示す「活動度」も地震をおこす確率を知るための目安です。1,000年あたりの平均的なずれの量が1m以上10m未満は活動度A、0.1m以上1m未満は活動度B、0.01m以上0.1m未満は活動度Cと分類されています。
日本にはこうした活断層が2,000あるとされ、日本の下を網の目のように走っています。
現在見つかっている活断層がどこにあるか、こちらのWEBサイトで見ることができますので確認をしてみてください。
活断層データベース 起震断層・活動セグメント検索
主要活断層帯
こうした活断層の中で、複数の活断層が帯状に隣接しているものを「活断層帯」と呼んでいます。中でも活動度が高く、社会への影響度の高い断層が114選ばれ「主要活断層帯」として指定されています。(2023年現在)
この主要活断層帯では、どれくらいの大きさの地震が、どれくらいの確率でおきるかといった詳細な調査が行われています。
行われた調査結果は、地震調査研究推進本部のWEBサイトで公表されていますので、参考にしてみてください。
主要活断層の評価結果
長期評価結果一覧
活断層により地震のおきる場所
主要活断層帯は、あくまで活断層が隣接して集まった活断層帯のなかから、特に社会的影響度の高いものが選ばれています。そのため、主要活断層帯で示された場所のほかにも、細かい活断層がたくさんあります。また、今まで発見された活断層以外にも、地中に埋もれ見つかっていない活断層もあり、日本ではどこにいても地震がおこる可能性があります。
北海道や九州は地震がおきにくいイメージがあるかもしれませんが、各所に活断層があり、平成28年 熊本地震や北海道胆振東部地震といった大変な被害をおこした直下型地震がおきています。
日本にいる限りは、どこにいても地震がおきる可能性があると考えて備えをしておきましょう。
また、日本海には津波がおきにくいイメージがあるかもしれません。しかし、日本海の海底にも活断層があります。プレートの境目による海溝型地震でなくても、海が震源となれば津波がおきますし、プレートの境目よりも震源が近くなることから、地震がおきてから数分~10分と短い時間で陸地に津波が届きます。海の近くにいる場合にはいち早い避難を心がけましょう。