B!

災害時も手間をかけずに料理ができる!スープジャーを活用した非常食レシピ

スープなどを外出先で温かいまま食べられる、広口の魔法瓶 スープジャー。このスープジャーの高い保温力を使うと、ガスと時間を節約しながら料理をすることができます。
今回は、スープジャーを使った調理方法、非常食レシピ、豆を煮る方法など、いろいろな使いかたをご紹介します。

災害時にスープジャーを使うメリット

大きな災害のためにカセットコンロや水を備えていても、水道やガスがいつ復旧するかはわかりません。そのため、調理中のガスや食器を洗う水を節約しながら料理をする必要があります。また、災害時は料理をする時間がなかったり、被災したショックから料理をする気力が無いことがあります。
このようなとき、具材と熱湯をいれて放っておくだけで、かんたんに料理が出来上がるスープジャーの保温調理が役に立ちます。

スープジャーでの調理のしかた

まず初めに、スープジャー調理の基本的な手順を説明します。

スープジャーに具材を入れ、熱湯を注ぐ方法

まずは、スープジャーに切った具材をそのまま入れ、上から熱湯を注ぐ方法です。鍋を汚さないため、洗い物を減らすことができます。

※生肉、生卵など、十分に加熱が必要なものは使用しないでください。スープジャー内の温度が下がり、食材に火が通らず、雑菌が繁殖する可能性があります。
ベーコン、ソーセージ(生タイプを除く)などは、火が通っていますので使用しても大丈夫です。
  1. スープジャー本体を温めます。
    スープジャーに熱湯を2~3cmほど注ぎ、ふたをしておいておきます。

  2. 具材を切りそろえます。この間にスープジャー本体が温まります。

  3. 具材を温めます。
    スープジャー本体を温めていたお湯を捨て、切りそろえた具材を入れます。
    具材にかぶるくらいの熱湯をそそぎ、ふたを閉め3分待ちます。

  4. 具材を温めていたお湯を捨てます。
    このとき、スープジャーのふたで具材をおさえながらお湯を流します。

  5. 味付けのための調味料をスープジャーに入れ、満水まで沸かした湯を注ぎふたを閉めます。

具材と水を鍋で煮立て、スープジャーに入れる方法

こちらは、はじめに具材と水を鍋に入れ煮立てたものを、スープジャーに移す方法です。しっかり火を通す必要のある生肉や生卵などを使う場合は、こちらの方法で調理をしましょう。
  1. スープジャー本体を温めます。
  2. スープジャーに熱湯を2~3cmほどそそぎ、ふたをしておいておきます。

  3. 鍋で水を沸騰させます。

  4. 具材と調味料の全ての材料を鍋に入れてから、3分沸騰させます。

  5. スープジャー本体を温めていたお湯を捨て、鍋の中身をスープジャーに移します。
    このとき、スープジャーが満水に満たない時は熱湯を足し、ふたを閉めます。

共通のポイント

  • スープジャーには満水まで熱湯を注いでください。お湯の量が少ないと保温力が落ちてしまいます。

  • 気温が低い時には、専用の保温ポーチに入れるか、タオルでくるみましょう。保温性が上がり、具材によく火が通ります。

  • 火の通りやすい葉物などの野菜であれば、30分くらいで出来あがります。
    ジャガイモやニンジンなど火の通りにくいものを1.5cm角に小さく切った場合は、1時間~1時間半くらい。3~4cm角に大きく切った場合は2~3時間くらいを目安にしてみてください。

  • パスタ類は長時間保温をしていると茹りすぎて、食感が悪くなってしまいます。火の通りにくいものとは一緒にせず、30分程度で食べるようにしましょう。

  • 時間と共にスープジャー内の温度は下がってきます。温度が下がると雑菌が繁殖する可能性がありますので、5時間以内には食べるようにしてください。

トマトリゾットのレシピ

それでは、スープジャーで作るトマトリゾットをご紹介します。

材料

380ml のスープジャーの場合。1-2人分。
  • 米40cc(約35g)
  • ソーセージ 2本
  • キャベツ 1-2cmのくし切りの大きさ(約50g)
  • トマトジュース 100cc
  • 水 100cc
  • 塩1つまみ(3本の指でつまむ。約1g)
  • コンソメ顆粒 1つまみ(固形の場合は 1/8個。約0.7g)
※出来上がり写真にはピーマンを入れていますが、防災用レシピとして材料からは除いています。

作り方

先ほど紹介をしたどちらの方法でも作れますが、ここでは災害時に洗い物の少ない「スープジャーに具材を入れ、お湯を注ぐ方法」を使った手順を紹介します。
  1. スープジャー本体を温めます。
    スープジャーに熱湯を2~3cmほどそそぎ、ふたをしておいておきます。

  2. キャベツを2cmくらいに刻み、ソーセージは1.5cmくらいの輪切りにします。

  3. 具材を温めます。
    スープジャー本体を温めていたお湯を捨て、切りそろえた具材とお米を入れます。
    具材にかぶるくらいの熱湯をそそぎ、ふたを閉めます。

  4. 水 100cc と トマトジュース100cc を合わせ沸騰させます。

  5. 具材を温めていたお湯を捨てます。
    このとき、スープジャーのふたで具材をおさえながらお湯を流します。

  6. 味付けのための調味料をスープジャーに入れ、沸かした水とトマトジュースを注ぎます。
    このとき、スープジャーが満水に満たない時は熱湯を足し、ふたを閉めます。

  7. 1時間ほど待つと完成です。

具材の無いおかゆの場合

お米とお湯で白がゆ、お茶で茶がゆ、鶏がらスープの素をつかって鶏がゆなども、かんたんに作ることもできます。具材を入れない場合は、下記の割合を基準として作り、お好みに応じてお米の量を調整をしてみてください。

材料

380ml のスープジャーの場合。1-2人分。
  • お米 50cc
  • 熱湯 350cc

豆を下茹でする

豆は災害時に不足しがちな、たんぱく質や食物繊維をふくみ栄養価が高いため、備蓄におすすめの食材です。
しかし、乾燥した豆は調理に時間がかかるため、スープジャーを使って煮る方法をご紹介します。災害時のためにガスを節約できるほか、日常生活でも火元を気にしなくてよいため便利な方法です。

材料

380ml のスープジャーの場合。
  • お好みの豆 120cc(約90g)
  • 豆をもどす水 200cc

作り方

  1. 豆を一晩(6~8時間)水につけもどします。
    中身がふくらみ、皮にしわが無くなってピンと張った状態が、もどし終わった目安です。

    皮が張って、豆がもどった状態。

  2. スープジャー本体を温めます。
    スープジャーに熱湯を2~3cmほどそそぎ、ふたをしておいておきます。

    戻した水は入れ替えても、そのまま煮てもお好みで大丈夫です。キドニービーンズのような色が濃くあくの強い豆は、かなり風味が強くなるため、戻した水を入れ替えたほうがよいかもしれません。
    戻した水を使う場合は100ccの水を足し、水を入れ替える場合は水を捨ててから200ccの水を足します。

  3. 豆と水を火にかけ、沸騰してから5分ほど加熱します。

  4. スープジャー本体を温めていたお湯を捨て、鍋の中身をスープジャーに移します。
    このとき、スープジャーが満水に満たない時は熱湯を足し、ふたを閉めます。
乾燥しているときの大きさが1cmくらいの豆(大豆など)は3時間ほどの保温調理でできあがります。2cmくらいの大きな豆(キドニービーンズなど)は4時間ほどおいておきましょう。
大きな豆は時間をおいても少し硬めの仕上がりになる場合もあります。サラダなどでコリコリとした食感を楽しんだり、煮込み料理に加えて少し加熱すると柔らかく仕上がります。


災害時など時間の無いときに役立つ、スープジャーの保温調理。朝スープジャーに食材をいれてゆっくりと加熱しながら、お昼に外出先で温かい料理を食べることもできるなど、いろいろな使いかたができる便利なアイテムです。
日常の料理にスープジャーを取り入れながら、備えをしてみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
moshimo ストック 編集部の記事一覧

公式SNSアカウントをフォローして、最新記事をチェックしよう

twitter
facebook

この記事をシェア

B!