IVUSAでは、国内での地震、津波、台風、豪雨などの災害で救援活動を行っているほか、海外でも台湾中部地震に始まり、スマトラ沖地震とその影響によるインド洋津波災害などでも救援活動を行ってきました。
被災地での活動
被災地では学生の若い力を生かし、浸水により屋内や床下へ入った泥のかき出し、ガレキの撤去、家具の運び出しのような、体力のいる作業をおこないます。そのほか、避難所での清掃や、整理、炊き出しを行うとともに、避難所の状況を現地の災害ボランティアセンターや行政に伝える役割を行うこともあります。
また、どのような救援が必要かを調査するため、「ヒアリング」という支援も行います。
大きな災害が起きると、被災地に災害ボランティアセンターが立ちあがります。ここでは、ボランティアをする人の受け入れ、情報提供、ボランティアを被災地に送るためのバスの受け入れなどを行うとともに、ボランティア先のマッチングをおこないます。
しかし、被災された方は「何がお願いできるかわからない」「うちがお願いをしていいかわからない」「うちよりもっと被害の大きいところに行ってあげて欲しい」など、ニーズが集まらないことがあります。
そこで、IVUSA が被災した地域の住宅を1軒ずつ周り、被害の状況などをうかがいながら、どんな救援が必要かを調査し、災害ボランティアセンターに共有をおこないます。
学生がこうした活動を行ことは、若く体力があることのほかにもメリットがあるといいます。
それは、地域の人々にとって受け入れやすいということ。ヒアリングなどを行う場合にも住民の人が話しやすく、よい結果が生まれるそうです。
もう一つは、若い人が一生懸命活動をしているところを見ることで、落ち込んでいた人たちの気持ちが前向きに変わっていくこと。作業中に何気ない会話をするだけでも、表情が明るく変化していくこともあるそうです。
学生らしく、元気よく活動することが、地域に前向きなエネルギーを残してくる、大切な活動のひとつとなっているとのことでした。
被災地に入るまでの準備
IVUSA の場合は、移動手段となる車両、食料、救援のための装備の全てを、自分たちで被災地に持ちこむ、自己完結型のボランティアです。そのため、被災地にむかう前に入念な調査と準備が必要になります。
災害が発生した場合、まずは被災地の被害状況などの情報を収集します。水害の場合には、消防庁から得られる床上浸水の情報から、地震の場合にはライフラインの被害状況などから、今までの経験をもとに被害の大きさを想定します。
そして、車両を確保し、交通制限の確認、必要な場合は警察から緊急車両通行証の取得を行います。
また、現地に入った後の活動拠点となる宿泊場所を探し、食料をそろえてから被災地に入ります。
まず、被災地の状況を確認するために先遣隊を十数名送り、その後に数十人規模のメンバーを送ることが多いそうで、2018年の大阪北部地震では、現地にいたメンバーが先遣隊として動きだし、2、3日後には50~60人のメンバーを送っています。
また、2016年の熊本地震では、本震※の2日後に先遣隊を送り、翌週には100人規模のメンバーを送り、救援活動をおこなっています。
※熊本地震では、4月14日にマグニチュード6.5の前震があり、4月17日にマグニチュード7.3の本震がありました。
なお、大きなボランティア団体に所属していない場合には、まずは現地の災害ボランティアセンターで情報を収集し、被災地から少し離れた場所に宿泊施設を確保し、ボランティアバスに乗ってボランティア先にむかうことが多いそうです。
防災、減災活動
IVUSAの災害時以外の活動として、地域の防災訓練への協力や防災ワークショップなどを開催したり、学生や子どもに災害や防災について身近に感じてもらうためのイベント活動なども行っています。
また、小学生が災害や、防災・減災について動画でわかりやすく学べるサイトの制作もおこなっています。いろいろなケースについての解説がありますので、ぜひサイトをのぞいてみ下さい。
これなら、デキる!! できることから始める!ボクたち、ワタシたちの「減災アクション」