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母乳育児でもミルクの備蓄は必要?災害時の赤ちゃん事情

災害に備えて自治体では防災用品や食料品を備蓄しています。しかし、自治体の中にはアルファ米や水はたくさん用意していても、赤ちゃんに必要な食料品の備蓄や取り組みがまだ整っていないところもあります。加えて、災害が発生すると、緊張やストレスからお母さんの母乳が出にくくなってしまうことも。赤ちゃんのいるご家庭では、この機会にぜひ「赤ちゃん備蓄」を見直してみてください。

母乳育児でもミルクの備蓄は必要?

2019年の10月に地方自治体に向けて行われたアンケートでは、災害時における授乳の支援や、母子に必要になる物資の備蓄活用については、既に取り組んでいる自治体は35.6%。その他の自治体は、今後取り組む予定だったり、取り組み予定がないところもあります。

出典:株式会社明治 地方自治体1,788件を対象とする「災害時における授乳環境の整備、および乳児用液体ミルクなどの備蓄状況に関する実態調査」

普段は母乳育児をしていても、お母さんが疲れてしまうと、一時的に母乳が減ったり止まってしまう場合があります。いざという時のために、赤ちゃんには飲みなれた粉ミルクや液体ミルクを用意しておくと安心です。
哺乳瓶を嫌がったり、アレルギー起こしてしまう場合もあるので、災害時の医療が整っていない状況で、はじめて備蓄しておいた粉ミルクなどを使用するにはリスクが伴います。
粉ミルクや液体ミルクなどの母乳代替食品は、普段から少し慣らしておくことをおすすめします。

災害時には気配りも大切!母乳育児を続けるための避難所での支援

母乳が出ない場合などは母乳代替食品で授乳をしますが、母乳にはたくさんの免疫成分が含まれているので、あげ続けることで赤ちゃんが病気にかかりにくくなります。そのため、普段から母乳育児をしているお母さんは、避難生活でもなるべく母乳育児を続けられるようにしたいところです。

大事なことは、お母さんと赤ちゃんが頑張りすぎないこと。
つい赤ちゃん優先になってしまうかもしれませんが、お母さん自身の健康管理も忘れないでください。
例えば、母乳を作るためには、いつもよりも多くのエネルギーが必要になります。十分な食事量に加えてビタミンやミネラルの接種も必要です。一時的に食べ物が不足しても母乳は作られますが、お母さんが元気でいるためにも、食べられるチャンスがあれば少しずつでも食べるようにしましょう。

母乳が一時的に減ったり出なくなっても、赤ちゃんはお母さんのお乳を吸っているだけで安心します。また、吸わせ続けることで母乳が出てくるようにもなります。避難所では、周りの方が協力して赤ちゃんがいるお母さんが安心して授乳できる空間を確保したり、リラックスできる環境を整えてあげましょう。

避難生活でも母乳育児ができるお母さんは、災害用に備蓄していたり支援物資として届く母乳代替食品を、必要としている他のお母さんに譲ることもできます。声を掛け合って、協力しながら辛い避難生活を乗り切りましょう。

粉ミルクと液体ミルク。どちらがいいの?

粉ミルクと液体ミルク、どちらも母乳代替食品ですが、どちらにもメリット・デメリットがあります。2つの違いを確認してみましょう。

【粉ミルク】

粉ミルクは日本人になじみが深く、長期保存が可能です。開封後でも、1ヵ月使用でき、価格帯もリーズナブルです。
粉ミルク用の水には飲料水が必要です。井戸水を使用することはできません。水道水が使えない場合は、国産のミネラルウォーターを使うようにしましょう。硬度(ミネラル)が高いと賢臓に負担がかかり、消化不良を引き起こす恐れがあります。輸入品のミネラルウォーターの中には硬度が非常に高かったり、非滅菌のものもあるので注意が必要です。給水車による汲み置きの水は、できるだけ当日給水のものを使用するなどの配慮も必要です。

【液体ミルク】

液体ミルクは、2016年に起きた熊本地震の際にフィンランドからの救援物資がきっかけになり、2018年8月から日本国内でも製造・販売が許可されました。
調乳済み、滅菌済みで、水が無いときやお湯が作れないところでも、温めず常温のまま使用できるところが魅力的です。未開封であれば紙パックで製造日から約6か月、缶で約1年の保存が可能です。

気になる栄養組織は、粉ミルクも液体ミルクも大差はありません。
大きく違いがあるところでは、液体ミルクは、粉ミルクに比べ保存期限が短く、お値段も高めなこと。また、水分を含んでいるため、ある程度の量を備蓄するにはそれなりのスペースを確保する必要が出てきます。
しかし被災地では、配偶者だけではなく、慣れていない方に調乳を頼まないといけない場面もあるため、調乳が必要ない液体ミルクは誰でも簡単に用意できるという点ではとても便利なものです。

ご家庭に合う方を選んで、まずは3日分の備蓄を目指してみましょう。

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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