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防災ニュース - 地図アプリ「Yahoo!マップ」(Android版)の「防災モード」で「ハザードマップ」を準備しよう

「Yahoo!マップ」(Android版)で提供中の「防災モード」に、「ハザードマップ」が追加されました。「この機能は自宅や職場の場所を登録すると、土砂災害の警戒区域、洪水の浸水想定区域、津波の浸水想定区域、地盤のかたさ(ゆれやすさ)の4種類の危険度が「ハザードマップ」で確認できます。
アプリを設定してデータをダウンロードしておけば、災害時にインターネット通信ができなくても、登録した住所周辺の「ハザードマップ」を見ることができるほか、定期的に自動で最新のデータに更新してくれる便利な機能です。


Map data © Mapbox © OpenStreetMap © Zenrin Co., Ltd. © Yahoo Japan

使い方はとても簡単。地図の下に表示されるメニューを上にドラッグすると、「防災モード」のアイコンが表示されるので、自宅や職場の場所を登録し、データをダウンロードするだけで設定は完了。あとは何もしなくても自動でデータの更新をしてくれます。



今回は「防災モード」の開発に携わった、「Yahoo!マップ」サービスマネージャーの山下さんと、プロダクトマネージャーの金木さんに、開発を始めるにあたっての経緯や、開発時に苦労された点についてお話をうかがいました。

防災モード開発の経緯

moshimo ストック編集部(以下、編集部)
moshimo ストックでも日頃からの備えや避難ために、「ハザードマップ」を手元に準備しておくことをおすすめしていますが、実際に準備できている人はまだまだ少ないと感じています。
最近はテレビのニュースでも、災害や防災に関する情報がとても詳しく解説もされるようになり、感度の高い人は多くの情報に触れやすくなっています。その反面、逆にそうでない人に情報を届ける難しさも感じています。
このような状況を考えると、日頃から使われる「Yahoo!マップ」で「ハザードマップ」が見れるということは、多くの人に伝える手段としても、とても意味のあることだと感じました。

どのようなことがきっかけで、「防災モード」を開発することとなったのでしょうか?
顔写真 山下
「防災モード」開発の始まりですが、実は現在も続いてるウクライナ侵攻がきっかけになっています。
ロシアがウクライナに侵攻したときに、キーウなど被害地域の近辺では多くのインフラが破壊されました。停電やインターネット回線の停止によりスマートフォンが機能せず、地図や安全確保のための情報が見られなくなる深刻な状況がおきました。

侵攻とは異なりますが、日本は大きな災害がとても多い国です。地震や風水害でインフラが被害にあったときに、地図がオンラインでしかみれない状況になっていることは、会社としても危機的な状況だと考えていました。
そのため、これを機会に地図をオフラインで見れるようにしようと開発が始まりました。
編集部
内閣府による南海トラフ地震、首都直下地震の被害想定では、災害直後は大勢の人が同時にスマートフォンを使うため混み合い、携帯電話やインターネット回線が大部分で利用できなくなるとされています。
とくに地震や津波の場合には一刻を争って避難することになりますので、津波や土砂災害のおきるエリアを避けながら避難場所まで移動する必要があり、「ハザードマップ」がオフラインで使えるようになったことは、とても大きなポイントだなと思います。

新たに地図上に「ハザードマップ」を表示するにあたってはいろいろと大変だったかと思いますが、開発時にはどのような苦労があったのでしょうか?
顔写真 金木
すでに「Yahoo!天気」ではハザード情報を提供しており、「ハザードマップ」に利用できるデータを持っていましたので、社内で連携をとって開発ができました。
今回の開発で難しかった点は、オフラインで地図データを扱うという機能は他のアプリでも提供していてなかったため、一から調査をすることから始まったこともあり、実現するのに苦労しました。また、オフラインの地図に加えて、土砂災害、洪水、津波、地盤のかたさという4つの情報を重ね合わせる必要があり、これらすべてのデータをダウンロードできるようにする仕組みも必要となりました。
もう一つは、地図データは常に変わっていくため1回ダウンロードして終わりでなく、継続的にデータを自動更新できるようにすることにも難しい部分がありました。
編集部
先ほども触れましたが、一般の人が自治体の「ハザードマップ」にたどり着くハードルは少し高いのかなと思っています。国の方でも「重ねるハザードマップ」というオンライン上で見れるものを提供していますが、インターネット回線が必要となっています。
その点、オフラインでも使え、さらに最新の情報に自動更新される「Yahoo!マップ」の「防災モード」は、他にはないとても魅力的な機能だと思いました。

今回追加された機能を、ユーザーの方にこのように使ってほしいといった案内はありますでしょうか?
顔写真 金木
使い方は「防災モード」で、自宅や職場の位置を選ぶだけで、「ハザードマップ」がダウンロードできるようになっています。簡単に使えるようになっているので、ぜひ事前に設定をして災害に備えてほしいなと思っています。
また地図を拡大・縮小し親が住んでる実家の周辺や、子どもの幼稚園や学校などの確認にも利用できます。
顔写真 山下
できれば、災害はおきて欲しくないのですが、油断せずにしっかり準備してほしいと思います。一回設定するだけで自動更新され続けますので、今準備しておけば、将来災害にあったときに、すごく役に立つものになっています。現在はAndroid版での提供ですが、今後iOS版での提供も予定しています。
「防災モード」を知ったことをきっかけに、ぜひ最初の一歩踏み出していただければと思っています。

今回は、「Yahoo!マップ」の「防災モード」の開発に携わった、お2人にお話をうかがいました。
災害はいつ来るかはわかりません。まさか自分は大きな被害にあわないのでは?などと考えず、いつ災害がきてもしっかりと身を守れるよう、日頃から準備をしておきましょう。

「Yahoo!マップ」


Yahoo!マップ ブログ - オフラインで地図が使える Yahoo! MAPの「防災モード」で災害に備えよう

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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