(提供:練馬区)
練馬区では、地震などによる火災の初期消火や救出、救護を行う「防災会」、小型の消防ポンプを使って消火活動を行う「市民消火隊」、災害時に被災した人々が集まる避難拠点の運営を行う「避難拠点運営連絡会」などの活動が活発に行われています。
このような区民防災組織の活動内容から、防災会の訓練内容と、避難拠点運営連絡会の活動をご紹介します。
防災会
練馬区には300以上もの防災会があり、災害時には火災の初期消火、救出や救護、安否確認、避難誘導、徒歩帰宅者の支援など幅広い活動を行います。
災害時に備え、防災会が行っている訓練の一例をご紹介します。
地域やマンションでの安否確認
住民に安否確認するためのマグネットを玄関扉に貼りだしてもらい、ブロックごとに安否確認マグネットの確認を行い、結果を災害対策本部に報告する訓練を行う。
避難行動要支援者の搬送
高齢者、要介護者、重度の障害者など自力で避難ができない方の自宅を実際に訪問し、安否確認を実施。レスキューカーに乗せて避難拠点まで搬送し、安否確認の流れやレスキューカー使用時の注意点などの確認を行う。
防災マップの作成
浸水ハザードマップや土砂災害ハザードマップ、火災危険度、避難拠点、水害時の避難所、街頭消火器、資器材格納庫など、区の把握する情報を反映した防災マップを、区の協力のもと作成。
まちあるきなどのワークショップを実施し、避難時に役立つ場所(コンビニ、オープンスペースなど)や、危険な場所(狭い道路や看板、ブロック塀など)を防災マップに掲載する。
その他、小型のポンプを使用しての消火訓練、心配蘇生法、AED 操作、止血法の訓練、救出や救護に使用する道具の整備などを行い、日々災害に備えています。
(提供:練馬区)
避難拠点運営連絡会
練馬区の避難拠点では、区職員、学校教職員、地域住民が協働して運営を行うことになっています。また地震などの大きな災害があった直後は、区の職員がすぐに避難拠点にたどり着けない場合もあり、集まった住民と区の職員が協力して、避難拠点を開設しなければいけないこともあります。そこで、災害直後の混乱時から避難拠点のスムーズな運営を行うために、地域住民を主体に組織されているのが避難拠点運営連絡会です。
避難拠点運営連絡会は、地域の町会・自治会、PTA、区災害ボランティア等、地域の住民から構成。平常時には、お互い面識を持ち、円滑なコミュニケーションが図れるよう、マニュアルの検討など様々な会議を行い、避難拠点ごとの特性に合わせた訓練を実施しています。
避難拠点運営連絡会の行っている訓練の一例をご紹介します。
様々な資器材の操作訓練
避難拠点のスタッフ全員が、資器材の操作ができることを目標に、区職員や学校教職員、地域住民の3者によって訓練内容を検討し、発電機や投光器(広範囲を照らすライト)の操作、マンホールトイレの組み立て、炊き出し用バーナーの操作訓練を行っています。
避難者が生活する空間での宿泊体験
地域に暮らす中学生、避難拠点運営連絡会、区職員、学校教職員が、実際に体育館に宿泊、炊き出しを行い、災害対策のシュミレーションゲームで訓練を行いました。
地域に暮らす中学生に避難拠点について知ってもらい、助けられる人から、助ける人への意識改革を図りました。
独自の避難拠点開設キットの作成・検証
練馬区では、避難拠点を開設するための手順(避難者の確認、必要備品の搬入、トイレ使用可否の確認など)をまとめた「避難拠点開設キット」を作成しています。1つの作業は1枚のアクションカードに書かれており、順に作業をこなしていくと、拠点の開設に至ることができます。
避難拠点独自に、カードに書かれた内容を1枚の用紙にまとめて、リーダーが全体の指示内容や流れをわかりやすいようにまとめたり、避難拠点の特性にあわせた項目の追加や、作業順の並べ替えなどを行っています。
医療救護所訓練と避難拠点開設訓練の同時開催
災害時の混乱を想定し、避難拠点のうち10校を医療救護所に指定しています。医療救護所には、練馬区医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会が派遣する医療救護班や事前に登録した看護師が集まり、主に負傷者のトリアージ(治療の優先度を判定すること)や軽症者の応急手当を行うこととしています。
毎年、これらの医療関係者や避難拠点運営連絡会とともに訓練を行い、発災に備えています。
大きな災害が起きた場合、交通や電気、ガス、水道などのインフラ停止や、同時多発的に起きるさまざまな問題に対応する必要があります。
実際に災害が起きてから想定外のことに気づき、大きな混乱が起きないよう、日々いろいろな訓練を行っています。