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夏から秋に多発する竜巻から身を守ろう

日本では、1年に平均して25個程度の竜巻の発生が確認されています。一度発生すると家屋の倒壊や車両の転倒、飛来物の衝突などにより、短時間で甚大な被害をもたらす可能性があります。竜巻の前兆や身を守る方法を確認しておくことで、とっさの避難に役立てましょう。

竜巻って?

竜巻は、うずまき状の激しい突風です。1年を通して全国的に発生しますが、台風などの積乱雲ができやすい気象条件で特に発生しやすくなります。季節としては7月~11月にかけて多く、スーパーセルと呼ばれる巨大な積乱雲は、竜巻のほかに、強い雨やひょうをもたらすこともあります。
また、発達した積乱雲の近くでは、ダウンバーストやガスフロントと呼ばれる突風も起こりやすく注意が必要です。
積乱雲の上昇気流によって発生する竜巻に対して、ダウンバーストは積乱雲からの下降気流でできる突風で、上から下に吹き抜けます。ガスフロントは、積乱雲の下にできた冷たい空気のかたまりが、暖かくて軽い空気の方に流れ出すことで発生する突風です。

竜巻は、短時間のうちに猛スピードで色々なものを巻き上げながら、甚大な被害をもたらします。
2012年5月には茨城県、栃木県、福島県の広い範囲で複数の竜巻が発生し、特に茨城県の常総市からつくば市にかけて発生した竜巻では、死者1名、負傷者37名、住家全壊76棟、半壊158棟にも及ぶ大きな被害が出ました。

竜巻に襲われると、強い風によって建物が倒壊したり、車両が転倒するほかに、巻き上げられた看板や屋根などが恐ろしい速さで飛んでくることもあります。

竜巻の移動スピードは過去に時速90kmを記録したこともあり、竜巻によって巻き上げられたものが猛スピードで飛来すると、軽い木材であっても、簡単に住宅の壁に刺さったり、突き破ったりするほどの威力があります。

竜巻が起きる前兆

  • 真っ黒い雲が近づく
  • 雷が鳴る
  • 冷たい風が吹き出す
  • 大粒の雨やひょうが降り出す
上記のような気象の変化は、積乱雲が近づいており、竜巻や局地的な大雨をもたらす可能性があります。また、ゴーという音が聞こえたり、気圧の変化で耳に異常を感じる場合も注意が必要です。

気象庁では竜巻に関する情報を段階的に伝え、注意を呼びかけています。半日から1日前には、ニュースや気象情報で「竜巻などの激しい突風のおそれ」という表現を使い、数時間前には雷注意報を発表して、落雷やひょうとともに竜巻に関する注意喚起を行います。そして1時間前から発生までは竜巻注意情報を発表して危険を知らせています。

危険が差し迫っているときに出される「竜巻注意情報」の有効期限は発表から約1時間です。この竜巻注意情報が発表されたときは、危険度の高まっている地域をこまめに確認し、竜巻発生の可能性がある地域にお住まいの場合は、無理な外出は控えましょう。

また気象庁のナウキャストでは激しい突風が発生しやすい地域の分布と1時間先までの予報を常に提供しています。竜巻に関する気象情報が出された際には、併せて確認しましょう。

気象庁 レーダー・ナウキャスト

竜巻が発生したら…

竜巻が発生し、直撃してしまった場合は、残念ながら建物などの被害を防ぐことはできません。すぐに身を守るための行動をとりましょう。

建物の中にいても、竜巻によって飛んできたものが窓ガラスを割ったり、壁に刺ささるなどのリスクがあります。屋内では雨戸、窓、カーテンを閉めて、1階のなるべく窓のない部屋に移動し、丈夫な机の下などで身を小さくして頭を守りましょう。2階以上のマンションにお住まいの方は、トイレや浴室など、風通しの悪い場所に避難しておきましょう。

屋外にいる場合は、頑丈な建物の中に避難するか、頑丈な構造物の物陰に入って、身を小さくしましょう。地下室や風が吹き込まない場所であればさらに安全です。 車を運転しているときも同様に、交通の邪魔にならない場所に駐車してすぐに頑丈な建物の中に避難しましょう。

物置や車庫、プレハブなどの仮設建築物は、竜巻によって吹き飛ばされてしまう可能性があり危険です。また、電柱や太い樹木は倒壊する可能性があります。 リスクのある場所には近づかず、周辺に身を守るものが無い場合は、水路などくぼんだところに身を伏せて両腕で頭や首を守りましょう。

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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