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子どもを事故から守る!事故事例や予防のポイントの紹介!

2016年の厚生労働省人口動態統計の死因順位によると、0歳の第4位、1~4歳・5~9歳の第2位、10~14歳の第3位が「不慮の事故」となっており、不慮の事故により292人の15歳未満の子どもが亡くなっています。「不慮の事故」の内訳は、0歳児で窒息が1位、1歳~4歳では窒息以外に交通事故・溺死・転倒・転落・火災などさまざまな事故が発生しています。

これらの事故は、大人たちが、子どもの身の回りの環境にちょっとした注意を払い、対策を立てることで、防ぐこともできます。子どもに、予期せず起こりやすい事故とその予防法、もしもの時の対処法のポイントを紹介します。

年齢別の子どもの特徴

・0か月~6か月
赤ちゃんは、自分で移動ができません。柔らかい寝具や吐物による窒息といった受身的な事故が多くなっています。

・6か月~1歳
寝返り、はいはい、つかまり立ちなど移動が可能になり、自分の回りのもの全てに興味を示しますが、危険を予知することは全くできません。この時期に多い事故は、ベッドからの転落や段差での転倒などが多く、手や指を使った細かな動きも発達してくるため、物をつかんだりつまめるようになり、異物の誤飲による窒息も増えてきます。

・1歳から2歳
何でも口に持っていく時期であり、食べ物とそうでないものの区別がつかないため、たばこや洗剤など家庭用品の誤って飲みこむことが多くなります。また、子どもは歩きはじめ、走り、よじ登り、ドアの開閉もできるようになるので、家庭内のあらゆる場所に移動ができるようになります。しかし、体に比べて頭が大きく、重心が高い位置にあるので転倒・転落をしやすくなります。頭の重さを支えられるほど腕や手の筋肉が発達していないために、浴槽や洗濯機への転落による溺死が増えてきます。

子どもが一時的に「ダメ」など禁止用語を理解して、従えるのは1歳3か月ごろで、命令を理解して行動できるのは1歳6か月ごろと言われています。それ以前の子どもの場合、親が積極的に子どもの周りから危険なものを取り除く必要があります。

・2歳から3歳
行動力が増し外で遊ぶことが増えてきますが、何が危険かの判断能力が未発達で、2つのことを同時に考えることも困難なため、何かに夢中になると衝動的な行動をとりやすく、交通事故や外での溺死が増えます。また、大人の真似をしたがる時期であり、火遊びによる火災との遭遇も多くなります。

・3歳から6歳
3歳以上になると、子どもの行動はますます活発になり、行動範囲も広がり、転落、やけど、溺水、交通事故など、親の目の届かない場所での事故が増え、対応が遅れてしまうこともあります。子どもはまだ何が危ないか十分に分かっていません。危険と安全について十分に教えてあげてください。

子どもの視力と視野を知りましょう!

子どもの視力や視野は、大人と違っています。子どもが大人と同じくらいの視力を持つようになるのは3~6歳くらいで、視野については、6歳になっても、大人と比べるとかなり狭いと言われています。子どもたちの安全を守るために、子どもの見え方を知っておきましょう。

<子どもの視力発達の目安>
新生児 明るい・暗いが分かり、顔の正面にあるものを凝視することができます。 0~3か月頃 物の色や輪郭は、全体がぼんやりしている段階ですが、人の顔とそれ以外の物が区別できるようになります。また、左右に動くものを目で追う「追視」ができるようになります。 6か月頃 視野が広がり、数メートル離れた物体が捉えられるようになります。まだ輪郭はうっすらしていますが、人の表情の違いが分かるようになります。 1歳頃 奥行きや物の立体距離感が感じられ、物の形の区別ができ始めます。 2歳頃 四角・丸・三角など形の区別がつくようになります。 3歳頃 輪郭は多少ぼやけるものの、形の違いがはっきり分かってきます。発達に個人差がありますが、この頃から1.0の視力を持つ子どももいます。 6歳頃 ほとんどの子どもが大人と同等の視力(1.0)を持つようになります。

<視野>
スウェーデンのステイナ・サンデルス氏の実験によれば、6歳くらいの幼児の平均的な視野は、左右(水平)で90度程度、上下(垂直)で70度程度とされています。大人の平均的は、水平で150度程度、垂直で120度程度あります。子どもは大人の6割程度しか見えておらず、子どもの視野はかなり狭いことがわかります。

大人 子ども
左右(水平) 150度 90度
上下(垂直) 120度 70度

窒息・誤飲事故事例と予防


うつぶせで寝て、顔がやわらかい布団に埋もれて窒息

<予防のポイント>
・できるだけベビーベッドに寝かせましょう。
・体が沈むほど柔らかい寝具、重い寝具を避け、硬めのものを使用しましょう。
・うつぶせ寝を避け、あお向けに寝かせましょう。
・寝ている子どもの顔の近くに、ぬいぐるみや枕なども置かないようにしましょう。

ベッドと壁の隙間に挟まれて窒息

<予防のポイント>
・ベッドと壁の隙間に頭や顔が挟まれないよう、寝室には隙間をなくしましょう。
・添い寝をしてそのまま寝てしまい、身体の一部で圧迫してしまわないよう注意しましょう。
・できるだけベビーベッドに寝かせましょう。

ミルクの吐き戻しによる窒息

<予防のポイント>
・授乳した後は、げっぷをさせてから寝かせるようにしましょう。
・げっぷが十分に出ない時は、寝かせて10~15分ほどはミルクを吐かないか様子を見ましょう。

食べ物で窒息

<予防のポイント>
・食事中はこどものそばから離れないようにしましょう。
・食べ物は小さく切り、食べやすい大きさにしてから与え、よく噛んで食べさせましょう。かみ切りにくい食べものや、丸く誤って飲みこみやすいものは、とくに注意が必要です。
・気管支に入りやすい飴・硬い豆・ナッツ類は、3歳頃までは食べさせないようにしましょう。
・食品を口に入れたまま遊んだり、話したり、寝転んだまま食事したりさせないようにしましょう。

たばこ、お酒、ボタン電池、磁石などの誤飲

赤ちゃんの誤飲ナンバー1はタバコです。一般に子どもの口に入る大きさの目安はトイレットペーパーの芯の大きさ、またはおとなの親指と人差し指で作った丸を通るものの大きさとされています。子どもが食べてはいけない物は、目に触れない場所や、手の届かないところに保管しましょう。
<予防のポイント>
・タバコ、お酒、医薬品、洗剤など誤飲は、有害物質が多く含まれ、中毒症状や死に至ることもあります。
・ボタン電池の誤飲は、食道に詰まったり胃の中にとどまると重症事故につながります。
・インテリアなどに使われる水を吸って膨らむ、樹脂製の吸水ボール の誤飲により、腸閉塞などを起こすことがあります。
・複数の磁石の誤飲は、磁石が腸壁を挟んでくっつき腸閉塞などを起こすおそれがあります。これらの物は子どもの手の届かない、見えないところに保管しましょう。

動画:政府インターネットテレビ「窒息事故から子供を守る」

転倒転落の事故事例と予防


ハイチェアからの転落

<予防のポイント>
・ハイチェアに座るときは、安全ベルトを必ず締めましょう。
・子どもを一人で座らせないようにしましょう。

階段・ベランダや窓からの転落

<予防のポイント>
・手先が器用になる2歳前後には、ドアの開閉が可能になります。子どもがベランダを乗り越えられる足場(段ボール・雑誌の束・ビールケースなど)を作らないようにしましょう。
・窓際にソファーやベッドなど置かないようにしましょう。

水まわりの事故事例と予防


浴槽へ転落し溺れる

<予防のポイント>
・浴槽の縁の高さが50㎝未満の場合、転落して溺れる危険性が高まります。
・入浴後は、浴槽の水を抜き、浴室には外鍵を付けて子どもが入れないようにしましょう。
・大人が洗髪している時や、着替えを取りに行ったり、電話に出たりしている時など、目を離した間に溺れてしまうことがあります。目を離す場合は、子どもを浴槽から出しましょう。
・バケツや洗面器など水の量が少なくても、溺れる場合があります。近くに子どもを1人にしないように注意しましょう。

プールや川遊び中に溺れる

<予防のポイント>
・大人がいない時に池や川などには行かないように教えましょう。
・プール遊びをする場合は、子どもの身長に合った深さにし、プールに浸かる時間を制限し適切な休憩を取らせましょう。
・川・海などで遊ぶときは、目を離さず、必ずライフジャケットを着用させましょう。

車中の事故事例と予防


チャイルドシートが正しく装着されていない

<予防のポイント>
・0歳から1歳半ごろ、身長70~80㎝以下、体重10㎏未満は乳児用シートを使用し、赤ちゃんの背中全体で衝撃を受け止めるために後ろ向き45度に取り付けます。
・エアバックが装備された助手席は危険です。必ず後部座席を使用しましょう。

熱中症

<予防のポイント>
・子どもは、体温の調節が十分にできないため熱中症になりやすく、死に至る可能性が高くなります。
・最近の車には、エンジンをかけたままでも、鍵を持って離れてしまうと、節約のために自動で切れる機能があります。
・5分、10分とほんの少しの短い時間でも車の中に子どもだけにしないようにしましょう。

子どもを事故から守るために

不慮の事故による死亡率を減らすため、国や市町村によってさまざまな情報が伝えられています。このような情報は、親はもちろん、周りの大人たちにも知ってもらうことが大切です。
日常生活の中での取組みとともに、災害が起きて避難をするときや、避難所で共同生活をおくるときにも、一人一人が子どもの事故防止に注意できるようにしていきましょう。

・子ども安全メール、Twitterのご紹介
消費者庁から0歳~小学校入学前の子どもの、思わぬ事故を防ぐための注意点や豆知識を、毎週木曜日に届けてくれます。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/

・子どもの事故防止ハンドブックについて
0歳から6歳(小学校に入学前の未就学児)の子どもに、予期せず起こりやすい事故とその予防法、もしもの時の対処法のポイントをまとめてあります。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/

・子どもを事故から守る!事故防止ポータル
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

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