成人、小児(生後1年以上)は、背部叩打法と腹部突き上げ法の両方を行います。異物が取れるか、患者の反応がなくなるまで続けます。
背部叩打法
背部叩打法は誰にでもできる、比較的な簡単な方法です。
手のひらの付け根で、肩甲骨の間を強く速くたたきます。
患者が立っている場合
患者の後ろから片手をわきの下に入れて、患者の胸と、下あご部分をささえて突きだし、あごを反らせます。
患者が倒れている場合
患者を手前に引き起こして横向きにし、自分の足で患者の胸を支えます。片手で患者のあごをささえて突きだします。
腹部突き上げ法
上腹部(へそと、みぞおちの中間)を斜め上に圧迫し、気道の異物をとり除く方法です。
明らかに妊娠していると思われる女性、乳児(生後1年未満)には内臓を損傷させる危険があるので行わないようにしてください。
- 患者の後ろに回り、両方の手をわきから通し、片方の手で握りこぶしをつくり、患者の上腹部(へそと、みぞおちの中間)に当てます。
このとき、こぶしが胸の下の骨や肋骨にあたらないよう注意してください。
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こぶしを作った手をもう片方の手でにぎります。
- 体を密着させて、こぶしを斜め上に瞬時に引き上げます。
- 異物を除去できても、内臓を痛める可能性があるので、医療機関を受診してください。
立って行う場合には、患者の両足の間に片膝を入れて立ち、後方への転倒を防ぐようにします。
椅子に座ったままでも手が届くときはそのまま姿勢で行います。
・患者に体を密着させなければ、効果は得られません。
・患者を床に直接座らせて行うと、圧迫位置がずれるおそれがあります。
気道異物除去は内臓を痛める可能性あます。人の体では絶対に試さないでください。