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災害に強い社会を作る。エネルギーを自給自足できるビル「ZEB」とは?

福岡県久留米市の環境部庁舎が、改修によって「ZEB化」されました。これにより防災機能が大幅に強化されましたが、そもそもZEBと聞いてもいまいちピンとこない人が多いのではないでしょうか。この記事では、建物の災害対策に役立つZEBとは何かを、事例も交えて紹介します。

ZEBとは?

ZEBとは「NET ZERO ENERGY BUILDING(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略で、年間で消費するエネルギーの収支をゼロにすることを目指したビルを指します。

もう少しわかりやすく説明しましょう。私たちが生活や仕事をする建物では、エネルギーが常に稼働し続けていますよね。エレベーターや照明、空調、換気、OA機器、お風呂の給湯などが使われるごとに、電気やガス、水道、熱といったさまざまなエネルギーが外部から供給されています。

それに対し、エネルギーの消費をできる限り抑えると同時に、エネルギーを自ら創ることで収支をゼロに近づけるのが、ZEBのコンセプトです。

たとえば、省エネ構造で電力を50%にとどめながら、太陽光パネルや蓄電池による自家発電で電力を創出。さらには雨水を雑用水として再利用したり、地中熱を活用した空調システムを導入したりすることで、エネルギーの50%を生み出す。これにより、外部からのエネルギー供給に頼らなくてもビルを稼働させることが可能になります。

そして、このエネルギーを自活できるという点は、エコや環境保護はもちろんのこと、防災の面でも有効です。そのため、近年ではさまざまな建物でZEB化の動きが進みつつあります。

ZEB化で経済環境大臣賞を獲得。テイ・エステック株式会社の事例

具体的な事例も紹介しましょう。2019年、テイ・エステック株式会社の本社がZEB化し、省エネ大賞の最高位とも言われる経済産業大臣賞を獲得しました。

ZEB化にあたってテイ・エステックの実施した取り組みは多岐にわたります。代表的なものとしては、オフィスの中央に自然光を取り込むアトリウムを配置したこと。昼間の照明器具の使用を削減しながら、開放感のある快適な空間を作りました。

さらには窓面積を抑えたり、高性能な断熱パネルを設置したりすることで、温度上昇による冷房の使用も対策。画像センサーで不在を感知して照明や空調を制御するなど、自動的に省エネできる機能も豊富に導入しました。極めつけには省エネの達成度を見える化し、社員自身のエコ意識も高めています。

こうしたさまざまな取り組みの結果、年間のエネルギー消費量は基準ビル比で86.9%の低減に成功。なかでも評価を受けたのは、特別な技術や高額設備を導入せず、あくまでも経済的にZEB化を達成したことです。テイ・エステック株式会社をロールモデルに、ZEB化が波及していくのが期待されています。

ZEBが普及することで、災害時に機能する拠点が増えていきます。特に冒頭の事例のように自治体の庁舎がZEB化すれば、万が一のときでも本部の機能を維持できるでしょう。より災害に強い社会は、徐々に近づいてきているのではないでしょうか。

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
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