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釘がささっても走れる、災害時に活躍するノーパンク自転車

東日本大震災のときには公共の交通機関が止まり、帰宅困難となった人々が自転車を購入するため、お店に列ができました。また、大阪北部地震でも通勤時間帯に震災が起きたため、多くの人々が帰宅できなくなりました。このような経験をもとに、自転車での通勤をする人が増えています。
特に都市部で震災が起きた場合には公共の交通機関が停止し、道路でも大渋滞が発生するため、車での移動は困難となってしまう可能性があります。そのため、東京都では自転車整備支援を行うなど、自転車での移動が見直されています。

しかし、大きな震災により、道路にガラスなどのガレキなどが散乱している場合、タイヤがパンクをして自転車が使えなくなってしてしまうこともあります。
そのようなときに活躍するパンクしない自転車があると知り、ノーパンク自転車を生産・販売している、株式会社オオトモに話をうかがってきました。

ノーパンク自転車って何?

ノーパンク自転車とは、その名前の通りパンクをしないタイヤのこと。タイヤの中に発泡ウレタンが入っており、釘やガラスなどが刺さってもパンクをせず、タイヤに刺さった異物を取り除くだけで走行できます。
また、ガレキや小石などの多い悪路などを走っているときにもパンクしてしまうことがありますが、そのような場所でもパンクを心配することはありません。

通常の自転車と比べた乗り心地が気になり、実際に道を走らせていただきました。舗装された道では普通の自転車と比べて違いを感じませんでした。
段差や凹凸を走る場合には少し衝撃を感じますが、通勤などで舗装された道を走る分には、乗り心地はそれほど気にならないものだと思います。

また、タイヤ以外の違いとして、普通のタイヤと比べると衝撃が伝わりやすいため、本体強度が上がるように特別に設計をし直しているそうです。
そのため、重量が1割ほど増えてしまうそうですが、実際に持ち上げてみたところ力の強い男性でなくても、特別重いと感じることはなく持ち上げることができました。

災害時以外でのノーパンク自転車の利便性について聞いてみたところ、やはりタイヤの空気を気にしないでよいということ。普通の自転車では1ヶ月ほどで抜けてしまいますが、空気を入れる必要はありません。
特に普段は使わずに旅行などに持っていった場合に、タイヤの空気が抜けて使えなかった。といったことがよくありますが、ノーパンク自転車ならばそのような心配はありません。

タイプごとの違い

オオトモで発売しているノーパンク自転車は、下記の3つのタイプが発売されています。

一番コンパクトな Raychell R-241N
Raychell R-241N メーカー商品情報
メーカー希望小売価格 60,000円(税別)

タイヤの大きい Raychell R-321N
Raychell R-321N メーカー商品情報

メーカー希望小売価格 66,000円(税別)

マウンテンバイクタイプ Raychell R-314N
Raychell R-314N メーカー商品情報

メーカー希望小売価格 62,700円(税別)

こちらは全て折りたたみ自転車となっており、コンパクトに収納ができるのですが、そのほかの特徴をそれぞれお伺いしました。

まずはコンパクトタイプの Raychell R-241N ですが、マンションなどで室内に保管する場合や、車に乗せて旅行先に持っていくのに便利。
他のタイプだとマンションのエレベーターに乗らないことがあるそうですが、こちらのタイプであれば多くのエレベーターに載せられるそう。ただし、実際に問題ないか購入前にご自宅の確認をしてみてくださいね。
室内で保管できると盗難の心配がなく、マンションなどでの駐輪料金が必要なくなるのは魅力的です。
また、タイヤが小さいと漕ぎ始めの力が少なくて済むそうで、信号の多い都会などでは走りやすいというメリットもあるそうです。

タイヤの大きいRaychell R-321Nは、コンパクトタイプに比べ、走り出してからは力がいらないため、長い距離を走る場合には疲れにくいとのことです。
自転車をおくスペースに余裕があり、信号が少なく、長い距離を走ることが多い場合には、こちらを選ぶといいそうです。

マウンテンバイクタイプの Raychell R-314N は、やはり悪路での走行が最大の魅力。ギアも合計18段となっているため、坂道を楽に登ることが出来ます。
また、サスペンションがついており衝撃が吸収されるため、ノーパンクタイヤのデメリットが一番気にならない機種になっています。

自治体での活用について

一般的な用途からは話がそれてしまいますが、災害時に自治体では指揮をとるために、役場が十分に機能する必要があります。しかし、道路が使用できなくなってしまった場合、復旧には長い時間がかかります。
このような緊急時の移動手段として、ノーパンク自転車を活用いただきたいとのことでした。

なお、オオトモでは、20-30台といったまとまった数の場合、車体の色を塗り替えたり、ライトなどのパーツを交換して納品をすることができるそうです。
もし、自治体で災害時に自転車の活用を検討する場合には、選択肢として加えてはいかがでしょうか?

災害時に充電もできる自転車を開発中

現在、オオトモでは、災害時での自転車をより活用するために、充電機能を持った自転車を開発しているそうです。
自転車を漕ぐことで発電を行い、スマートフォンやモバイルバッテリーなどに充電すること可能になるとのこと。また、自転車のライトも充電できるようになり、自転車から取り外すことで懐中電灯として使えるようにする予定と伺いました。
災害時の連絡や情報収集にはスマートフォンは非常に重要なため、バッテリーを気にせず使えるこちらの商品も大変気になりますね。製品化されたときには、moshimo ストックにて改めて紹介できればと思います。

この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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