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「温かくておいしい! スープからはじめる防災クッキング入門」参加レポート (2/3) - 有賀薫さんに教わる、もしものときのスープ

災害時でも日常と近いかたちで「心が元気になる食事」がとれるよう、どのような用意をしておけばよいのか?「温かくておいしい! スープからはじめる防災クッキング入門」に参加した様子をレポートしています。

前回は2019年の台風19号のとき、出演者のみなさんがどのように過ごしていたのかを聞きながら、どういった備えや行動をしたらよいかを考えました。


今回は有賀薫さんが被災したときに手軽につくれるスープをご紹介します。

被災したときにつくる料理、どんなものがいいですか?

有賀:たとえば、鴨ねぎうどん、お雑煮などの主食が入ったスープがよいですね。

買い物から、調理、洗い物までをすべて考えると、やっぱり主食が入ったスープが一番作りやすいと思います。
スープは世界のどこの地域でも、庶民の食事。安く、おいしく、腹持ちのいい食事をするために作っていることが多いんです。
世界のスープにも、パン、麦、豆が入ったスープがたくさんあります。

こういうときはちゃんとだしを取ろうと思わず、顆粒のものや、めんつゆでだしをつくって、ありあわせのものを入れて作りましょう。
例えば、サバ缶にうどんを入れてもおいしいです。サバ缶、トマト、うどん、なんかも以外にいいんです、ここにご飯を入れても美味しい。

あとは熱いところにお餅を入れて、柔らかく伸びるのでもいいですね。

スープジャーって何?

有賀:スープジャーを使ってできる料理もあるのですが、まず始めにスープジャーの説明をしますね。
これは小さい魔法瓶みたいなもので、温かいお味噌汁なんかを入れておけば保温してくれるものです。
私の書いた「朝10分でできる スープ弁当」という本では、朝に半分煮えたのものを入れておけば、お昼までに火が通っているレシピを載せています。

80-90度を1-2時間キープできるので、じゃがいも、かぼちゃ、人参も煮えてしまいます。火を使うのは始めだけなので被災時にガスボンベなどの燃料も節約ができるんです。

島影:お餅とかうどんってそのまま入れていいんですか?

有賀:スープジャーに入れておくだけで、本当に昼までに煮えるの?って思う方がいっぱいいると思うんですが、80-90度を2時間近くキープするので逆に煮えすぎるくらいなんです。
うどんとかパスタだと朝から昼まで4時間も置いておくと、持つと崩れるくらいやわやわ。スープとしては柔らかいのもおいしいんですが…
災害時だと丁度いいところで開けることができるので、調整しやすいと思います。

小麦粉を使ったうどんやパスタなんかはすぐ火がとおります。パスタは表示時間通りおいておけばちゃんと茹だります。
お湯とパスタを入れ、時間がきたら蓋で中身をおさえながらお湯だけを捨て、レトルトのソースを入れればいつもどおりのパスタが食べられるんです。

お餅なんかは、4時間くらいおいても大丈夫。白米や玄米は結構ぼろぼろになってしまいます。押し麦はきちんと食感が残りますね。あと、春雨なんかは意外に強いんです。

ちなみに、お粥を作る場合は300mlのスープジャーに大さじ2杯くらいのお米が丁度いい量です。ここに4時間くらい前に作ったものがあるのでよかったら食べてみてください。
風邪を引いたときなども、お米と熱湯を注いだ後、そのまま置いておけばお粥ができるのでいいですよ。

実際にスープジャーでの料理を実演!

有賀:スープジャーの調理の最大のメリットは火にかけず保温で調理ができること。そのためスープジャーの温度を下げないことがポイントです。
まずはじめに、空のスープジャーに熱湯を注ぎ、蓋を閉めて容器自体を温めましょう。その間に食材の準備をしていきます。

ここで重要なポイント。食材を炒めず直接スープジャーの中で加熱調理する場合には、生肉、生魚、生卵、生の牛乳はいれないこと。容器内の温度が下がり食材についている菌が繁殖してしまいます。

「朝10分でできる スープ弁当」では、生肉、生魚など一度食材を炒めてからスープジャーに入れ、保温をしている時間で柔らかく煮えるように調理をしています。
今回は災害時に手軽に作れるよう、事前に食材を炒めず、直接熱湯と生の野菜を入れて作る料理を紹介しますね。

島影:まないたは他牛乳パックが使えます、災害時には便利ですので覚えておいてください!

有賀:今日はポトフを作ってみます。まず、温めた容器のなかに、キャベツ、じゃがいも。じめじ、ソーセージを入れます。ソーセージは300mlの容器なら1本、380mlくらいだと2本位入ります

だしは顆粒やキューブのブイヨンを入れればいいのですが、今日は昆布をいれてみます。昆布は4倍位にふくらむので、ちいさく切って。2cm角くらいかな、もっと小さくてもいいかも。
ほんのすこし入れることで、あんまり昆布っぽい味にならないのでおすすめです。たくさん入てしまうと膨らんで、スープジャーの中が昆布だらけの災害になってしまいます!

食材を入れ終わったら、スープジャーの中を高温に保つため熱湯を注いで、またお湯は切ってしまいます。

ここまで終わったら味付けをします、今日はここでお塩を入れます。顆粒やキューブのブイヨンなどを入れる場合には、このタイミングで入れましょう。
そしてお湯はスープジャーに入る最大のところまで入れましょう。お湯が少なく空気が入っていると中身が冷えてしまいます。

だしは、スライスした昆布、鰹節、顆粒のだしでも大丈夫です。塩昆布もおすすめ、だしもでるし醤油で煮しめているものなら味付けも同時に出来ます。

島影:被災してすごく疲れているのに料理をして、その後洗い物までするのは大変。そういった面でもスープジャーは助かりますね。

有賀:私はスープジャーを使ったお弁当の本を書いたのですが、そのほかにもお家で料理したり、お年寄りやお子様がお留守番しているときにも使えます。災害のとき以外にも使えるのでおすすめです。

moshimo ストック 編集部の感想

今回教わった料理は、お鍋で調理をしないので洗い物が少なく済むし、火をつけ続けなくてもいいのでガスが節約できるのがとてもいいですね。
被災してライフラインが止まったときは、まず水を確保することが大切。摂れる水分が少ないと体調を崩してしまうので、洗い物などでつかう分はなるべく節約したいところ。
また、ガスが止ってしまうといつ復旧するかもわからないので、カセットボンベなどの燃料も少なくすむのは助かります。

また、その他にとても便利なのが、何より手間がかからないところ。
もし被災してしまったら、やることが山積みで本当に大変。料理をする気持ちがおきないこともあるのです。
一度スープジャーに材料を入れてしまえば、余震を気にしながら火の様子を見ることもしなくてよく、これは本当に助かる調理方法だと思いました。

有賀薫さんの「朝10分でできる スープ弁当」では、手軽でとてもおいしいレシピがいっぱい!
缶詰やハム、ベーコンなどを使ったメニューもたくさんのっています。生肉や生魚、生卵、牛乳を使わないレシピなら、今回教わった手順で応用して直接スープジャーに食材を入れて調理もできますので、ぜひご覧になってください。


編集部でも、スープジャー料理をいろいろ試してみたいと思います!オリジナルのレシピが出来たら記事にしてみますね。

さて、次回は辻直美さんに教わる、実際に被災してしまうとどうなってしまうのか?
避難所で出される救援物資の様子や、避難時でもおいしく食べられる料理についてお届けします。


この記事を書いた人

moshimo ストック 編集部

防災をしたいけど情報がたくさんあって、何から始めればいいの…?
私たち moshimo ストックも始めは知ることが幅広くて、防災ってちょっと難しいな…と思いました。
そんな "元初心者" の編集部が、初めての方にもわかりやすいよう防災・備蓄・災害についての情報をお届けいたします。
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